早生ばかりがみかんではない
親戚から柑橘をもらった。「せとか」と「日向夏」。高級品だ。
実家経由で荷物が届いたので、隙間を埋めるように地元で売られているみかんも一緒に詰められていた。急遽開催された春の柑橘祭りに心が踊る。
いちばん足が早そうだった緩衝材がわりのみかんを食す。地元のみかんは晩生の品種なのか、かなり大ぶりで甘い。甘さの奥にほんのり酸っぱさがあって、いくらでも食べられると私は思っているのだけれど、愛媛出身・親戚がみかん農家・極早生信者な夫は「大粒で酸味のあるみかんなんて……」と哀れみの目でこちらを見てくる。ちぃちゃくてあまぁいみかんしか食べられない坊やめが。
我が家の戦争の種はたけのこの里でも大判焼きでもなく、みかんだ。