しおれはじめた大根と、普段は捨ててしまっている大根の皮を使って切り干し大根を作ってみた。
タッパーにキッチンペーパーを敷いて、その上に細く刻んだ大根を散らしてベランダで天日干し。この時期は程よく涼しく、天気が良いので丸一日も干せばかなりカラカラになる。水分が抜けただけで随分と小さくなるので面白い。人間も水分を抜いたらミイラになるけれど、干し野菜よりは原型をとどめているように思う。骨というのは思っているよりも体積があるんだな、とよくわからない感動を覚える。
干して糸くずのようになった大根を、同じ日のうちに水に浸してもどす。出汁と味醂、薄めの醤油で煮物にすれば、ちょうどいい小鉢の完成だ。市販のものよりも美味しいような気がするけれど、それはきっと贔屓目だ。IKEA効果ってやつ。「自作」という行為で愛着に関連する能領域が活性化される、というあれだ。もっとちゃんとした用語があったような気もするけれど、そっちは思い出せない。