いまさら薬に頼る
花粉症には勝てなかったよ……
3月も半ばになり、花粉はそろそろピークアウトの時期らしい。ピークアウトといわれると、これから杉の生殖活動もおとなしくなり花粉症も楽になってくる……ような印象を受けるが、騙されてはいけない。花粉飛散量グラフは後ろになだらかに伸びる。山の一番高いところを越えたからといって、当分山を抜けることはないのだ。花粉量が閾値を超えていれば症状は出るのだから、山が高かろうが低かろうが、山中にいる間は苦しみ続けることになる。
そんなことにも考えが至らず、「今年はまだ耐えられるかもしれない。もうすぐピーク超えるらしいし」と能天気な考えで薬を飲まずに花粉と戦い続けた結果、鼻がとうとう敗北した。古い蛇口のように滴る水をどうにかしたティッシュでゴミ箱がソフトクリームのようなシルエットになり、こりゃあかん、と抗ヒスタミン薬を買いに行った。
強めの薬を飲んでしばらくすれば、鼻は尊厳を取り戻し、顔の痒みも消える。
変に耐えようとしなければよかったのに。シーズン初めから薬を飲んでおけば鼻と体調の悪さをズルズル引きずることもなく、もっと快適に過ごせていただろう。