子供の夢

朝からケーキ屋に赴き、「ここからここまで」方式でケーキを10個買い込んだ。名目としてはわたしの誕生日ケーキになる。明日24日が誕生日なので、前夜祭を兼ねて混みにくい23日に洋菓子店に行くのがここ5年ほどのお約束だ。そして、そのたび旦那は富豪のショッピングさながらにケーキを買う。曰く「おもしろいから」らしい。初めは面食らったが、ホールケーキを1つ買うよりもいろんな味が楽しめるので悪くないと思っている。
今回行った洋菓子店は国道の裏通りにある、マゼンタ色の軒先(店舗用テントというらしい)が目を引くちんまりとしたお店。併設されたコービー店からは豆を焙煎する香ばしい匂いが漂っている。扉を開ければ、内装の大部分を占めるショーケースには、並べられて間もないであろうケーキがぎっしりと詰まっていた。
いちばんに目をひいたのが、上に乗った和栗が小さく見える、握り拳サイズのおおぶりモンブラン。続いて、雪のようなフロマージュ。この時期の定番・苺のショートケーキ。案外アラカルトのケーキもクリスマスの雰囲気に染まっており、小さなブッシュドノエルやクリスマスカップのケーキもある。この辺をあらかた含む範囲で一括選択して会計する。
大量のケーキを抱えて帰る車内は毎回わくわくする。2日もすれば毎日食べるケーキに正直飽きが来はじめるのだけど、この時だけは先のことは考えない。
血糖値上昇からの献血
昼食後のデザートにフロマージュを食べ、酸味と甘みのバランスが最高のチーズクリームに満足した後、午後は勢いで献血にむかった。旦那が予約を入れていたらしいので、暇だし、と一緒についていったのだが、血を抜かれるのは実に15年ぶりだ。大学時代に70/50mmHgという動く死体のような低血圧になって以来、ずっと血圧が足りずに献血を断られていた。今回は血圧94/67mmHgと、ぎりぎり最低ラインの90mmHgを超えていた。
成分献血の予定だったが、全血が不足しているようなので400mmの全血にする。血を抜いている間、この日記を書く以外は謎の機械の中で袋に入った血液が揺れるのを眺めていた。「物体」として自分の血を見るのは不思議な気分だ。
指先が冷えて凍えていたら、暖かいミニ湯たんぽのようなものを握らせてもらった。ペーパータオルのようなものに包まれた温かい袋で、ぽにぽにと柔らかく気持ちいい。ペーパーをめくって中身を見てみると、血小板製剤の袋だった。なるほど。液体を入れるものなら、お湯を入れるのもアリなのか。現場の工夫にニヤニヤしてしまう。
しばらくして、特に問題はなく献血は終了した。席を立つとき、自分の血で袋がぱんぱんになってるのが面白かった。