ハレとケの狭間の食べ物、ぺら焼き
でかい冷蔵庫が届いた
ぺら焼き
という食べ物がある。高知県西部・土佐清水市のローカルフードだ。薄く伸ばした生地に、ネギやじゃこ天を乗せて焼き、ソース、鰹節、青のりなどをかけて食べる。「はしまき」「ネギ焼き」の遠い親戚のような、鉄板で作る粉もの料理。地元では屋台メシの印象が強い。
佇まいはお好み焼きやもんじゃ焼きと近い、日常の延長にある「ケ」の料理だ。味も割と素朴。そんなにありがたがって食べるものではない。なのに、普段はほとんど見かけず、作らず、祭りでしか食べない料理なので、妙に「ハレ」のイメージがある。りんご飴やトルネードポテトのような存在だろうか。
たまに無性に懐かしくなって、お好み焼き粉でそれらしいものを作ってはみるけれど、どうにもあの薄くてニチッとした食感が再現できず別物になってしまう。やっぱり本場に行くしかないのか。地元に帰るには中々な長旅だ。今でも変わらずぺら焼きは「ハレ」の食べ物のままらしい。
冷蔵庫
新しく300L前後くらいの冷蔵庫を買った。結婚して半年以上、私が新社会人になった時揃えた単身向け冷蔵庫で凌いでいたのだが、良い加減キャパシティが限界だったのだ。夫は私の3倍は食べるので、実質4人分の食材を詰め込まれた冷蔵庫は夜毎苦しそうに呻いていたし、買い物の後は野菜で3Dテトリスに興じなくてはいけなかった。
新しい冷蔵庫は、これまで通りの物量を詰め込んでも「まだまだ、全然余裕ですよ」と済ました顔をしている。素晴らしい。これが冷蔵庫のあるべき姿、電力消費に無理のない佇まいというものだ。ただ一つ心配なのが、そんな様子を見た夫が「これなら買い出しセーブせずに済むな」なんて晴れやかな顔をしていることだろうか。そう遠くないうち、この冷蔵庫もパンパンにされてしまうのかもしれない。