やはり魂というものは存在するのだと思う、と言いたくなることがある。
はじめに そう思ったのは祖母が亡くなった時だった。会社にいて、誰か来たと思い 声をかけようとしたが 誰もいなかった。あと1時間半頑張ったら退勤時間だ!と思っていた その時間と祖母が息を引きとった時間が ほぼ同じだった。
昨晩、床に入り うとうとした時に誰かが音をたてた。或いは同居している親かもしれない。でもそういった感じでもない。時計を見ると日付が変わっていた。(先輩、明日 四十九日だねぇ)
無沙汰にしていたので葬儀に参列してもよいものかと迷いに迷っていたし、決心できてからも 他のいろいろな事で、どうしようか こうしようか と思っていたところへ、春というには まだ肌寒かった葬儀の前々日、退勤しようとしていた私の車の前を クロアゲハがヒラヒラと横切った。幻だったのだろうか…と思っていたら、数キロ走った先の高架でまた クロアゲハが横切った。まだ寒い上に クロアゲハ自体を そう頻繁に見ることもない。(先輩だ)と思った。
葬儀の後は、朝 鳥が出窓をコンコンコンと突いた。クロアゲハもだけど、後にも先にも その日だけだった。
満中陰志が届き、戒名というものは何なのだろうと思い読んでいたら、お釈迦様の弟子になったということだそうで、なんだか面白くなってしまい少し笑った。これからは お釈迦様たちの服をデザインするのかな。