
7月の三連休に、リフレッシュ休暇を利用して広島を観光してきました。
この場所を作ったもうひとつの理由が、旅先の旅行記を残しておきたいな、という思いがあり、ついにタグを作ることができました。海の内外を問わず、行きたい場所にはあちこちフラフラと出かけていくので、数年後に溜まった記事を見直せると、楽しそう。
少し前までは、「過去も未来も興味ないね、今この瞬間こそがなにより尊い!」という刹那主義だったのですが、歳を重ねたせいか、最近は思い出をちゃんと残しておきたいな、という気持ちが湧き始めました。というのも、10年ほど前、一番身軽にあちこち飛び回っていた時期に訪れた国々のこと、今では断片的にしか覚えてないんですよね。かくも人間とは忘却の生き物…。
それってとっても勿体ないので、これからはここに記しておきます。
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初日はUNDERTALEのオーケストラコンサートへ行きました。今回の旅の動機です。念願のプログラムをついに聴けて、感動もひとしおでした。某曲のアレンジがもう凄まじく良くって、サンズへの想いが一気にぶり返したほど。久しぶりにアンテでピクシブを巡ったな…。UNDERTALEへの情熱は先日書いたので、今回は割愛します。
公演の合間に、会場への道中で見かけた甘味屋さんが気になっていたので、立ち寄ることに。


ちょうど梅雨時で蒸し暑かったこともあり、看板を見かけた瞬間、連れ立って行った妹と、同時に「かき氷!」と声を上げました。連休でしたがさほど待つこともなく、ふわふわの氷が、暑さと演奏の興奮で乾いた身体を潤してくれます。かき氷もさることながら、売っているお菓子の全てが綺麗で美味しそうで、予定外にあれこれ買い込んでしまいました。
本当はアストラムラインという、なんだかハイテクな乗り物の駅が最寄駅だったのですが、広島電鉄にも同名の駅があり、うっかり路面電車の方へ乗ってしまったのでした。そのせいで会場までテクテク歩くことになったのですが、おかげで素敵なお店に巡り会えました。これも旅行の醍醐味です。

夜は広島焼きを食べたり、

降り続いていた雨が止んだので、腹ごなしに元安川沿いをぶらぶらしました。桜がずらっと植えられていて、春はさぞや壮観だろうなあ。地図を眺めていて思いますが、広島市は川と共にある街ですね。
「どうぞ座って、景色を眺めてくださいね」と言わんばかりのベンチがあちこちに置いてあったので、妹とありがたく座って、喋ったり、黙ったりして過ごしました。
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初日の宿は、八丁堀にある『KIRO』というリノベーションホテルを取りました。
もともとTHE SHARE HOTELSのプロダクトのファンで、近くに寄ることがあれば泊まってみることにしているのですが、KIROも素晴らしいホテルでした。お洒落で洗練されているけれど、ゲストに気負わせない空間作りが上手で、かつ土地の良さを活かしている。今は雇われのホテル屋さんですが、いつか自分の宿を持ち、真のホテル屋さんになりたいな〜、と漠然と思い描いている私にとって、非常に参考になります。
もともと屋内プールだったというラウンジ兼朝食会場が売りのホテルで、ホテルの顔にするだけのことはある、素敵な内装です。しとしとと降り続ける雨が、大きく取られた天窓に当たる様子が美しく、しばらくぼんやりと眺めていました。

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2日目は尾道を訪れました。
晴れていたらレンタカーを借りて、しまなみ海道をひとっ走りしようかとも思っていたのですが、ずっと降ったり止んだり、を繰り返していたため、のんびり市内を散策するに留めました。しまなみ海道を渡るという、次回の広島旅行の口実ができましたね。

JRの単色列車、広島は黄色なんですね。かわいい!










どこをどのように撮っても絵になる。住み心地が良さそうな街だなあ。

文子さんという、綺麗なお名前の猫が住んでいるカフェにも寄りましたが、人が嫌いで、だいたい奥へ引っ込んでいるそう。良い。

フェリーに乗って、宮島へと向かいます。山の中に住んでいると、大きな船を見るのが新鮮で、ひとりでキャッキャと喜んでいました。でかくてかっこい〜!

2日目の宿は「菊がわ」さんを取りました。どうしても無人の厳島神社を観たくて、そしたら宮島に泊まったれ!という魂胆です。
合計10室ほどの小さな旅館で、私が作ってみたい宿の雰囲気にかなり近く、舐めるようにあちこち見て回りました。

共用スペースの設えがとにかく良すぎる。雨に濡れるお庭を見ながら、夕食までうとうとしつつ、休ませてもらいました。



お夕食。いろいろと食べさせてもらいましたが、どれを取っても味良し、見た目良しで、すごい。とうもろこしの真薯が、夏らしくて美味しかった。

腹ごなしのお散歩に出かけます。夜の趣きもめちゃくちゃ良い〜〜

人っこひとりいない商店街。

程なくして、神社に到着する立地です。私と同じく宮島に宿泊している、僅かな観光客たちの談笑の後ろで、静かにさざめく波の音と、遠くでゆったりと進んでいく、遊覧船の灯り。煌々と照らされる鳥居。いつまでも居られるな…と思いながら、しばらくぶらぶらと歩いていました。

部屋に戻り、神楽さんであれこれ買い込んだお菓子と、部屋に置いてあったお茶菓子で、夜のお茶会です。食べてばっかりなんですが、私たち姉妹のスローガンは『旅のカロリーはかき捨て』です。フィぬいも連れてきてはいましたが、連休ということでどこも人が多く、なかなか出してあげられなかったので、せめてもと、お茶会には同席してもらいました。
エルダーフラワーとレモンの琥珀糖、爽やかで上品な甘さで、めっちゃくちゃ美味しい。帰ってきてからも、ひとつずつ大事に食べていますが、無くなったらお取り寄せするかも…。
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ぐっすり眠って起きたら、いよいよ今回のお目当て、早朝の厳島神社参拝へ向かいます。朝から雨降りでしたが、霧で霞がかった光景が、なんとも神秘的。かつて宮島そのものに神性を見出した人々の気持ちを、肌で感じ取りました。


美しいです。さすが、三人の女神様がおわすお社だなあ。

おみくじも引きました。吉、天先成兆。
人の上に立つ器はある。しかし部下になる人々からは理解されにくく、時には憎まれたりもするが、それをも許し、受け入れましょう。その向上心を全て良い事のために使いなさい。
というような意味合いらしいです。最近、昇進を目指す人のための社内チームに入れてもらったばかりのタイミングなので、大変身が引き締まります。すごく鼓舞してもらえたような気持ちになって、励みになりました。がんばるぞ!
春先くらいに、ほとんど荒屋みたいな中古の戸建てが、街から外れた山の中ということもあってか100万円で売りに出されているのを見つけて、「ひゃ、100万円!?山が近くて最高だし、新しく建てるより、これを買ってあちこち直す方がお値打ちじゃない!?」とかなり前向きに考えていたのですが、「家移り みあわすべし」ですって。やっぱ100万円は安すぎて怪しいですかね。色々と見透かされているような内容で、厳島神社の霊験をびしばし感じました。

早朝の神社を目一杯堪能してから、朝ごはんです。朝食も抜かりなく美しい。鮭に添えられていたもみじに翼果が付いていました。私は翼果の造形美と機能美に惚れ込んでいるので、大喜びで手に取って眺めているのを尻目に、我関せずと、どんどん食べ進めていく妹。お互いにやりたいようにやっています。


宮島散策に出かけます。まずは宮島水族館。入り口に飾ってある、宮島らしい木彫りの魚たちの、精巧な作りに惚れ惚れします。




広島ならではの、牡蠣いかだの展示が特に面白く、しげしげと眺めてしまいました。牡蠣養殖の水中の様子って、あまり観る機会もないので、勉強になりました。



思っていた以上に、カジュアルに鹿があちこちにいます。彼らも慣れたもので、ごった返す観光客の間をうまくすり抜けて、しきりに虫や草を食んでいました。





雨降りだと緑が瑞々しくて綺麗です。さすが神の島なだけあり、至るところに寺社仏閣がありましたが、時間の都合であまり巡れませんでした。やっぱりもう一度来なくちゃな〜


宮島の穴子、噂に違わず本当に美味しい。ふわっふわ。水族館の展示で、広島のアナゴたちは牡蠣いかだに集まってくる小魚をたらふく食べて、よく育っているのだと学び、土地の名産というのも共生関係にある場合があるんだな、と感心しました。

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広島市内に戻ってきてから、最後に平和記念公園と、広島平和記念資料館を観ました。
修学旅行らしい修学旅行に一度も行ったことが無く、初めて資料館を訪れましたが、行ってよかった。教科書の中の数字の一人一人に、大事に想っている人がいたのだ、という、当たり前のことを痛感しました。
新しくて美しい広島市を眺めながら、約80年で、あの焼け野原からよくぞここまで、と感慨深くなりました。人間ってすごいや。
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広島モデルコースのような旅行でしたが、王道とは王の道と書くため、ばっちりめちゃくちゃ楽しかったです。海も川も山も近くて、吹く風がとても心地良かった。暖かい海はいいですね。
でもやっぱり、晴れた夏空の下で、しまなみ街道をドライブしたくてたまらないので、来年くらいにもう一度訪れたいな!