「暗闇のなかの希望」

spnminaco
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公開:2025/4/13

4月9日

「暗闇のなかの希望 増補改訂版 語られない歴史、手つかずの可能性」文庫表紙。奥の椅子に腰掛ける女性のシルエット、モノトーンの写真。

ずっと読みたいリストに入れてたレベッカ・ソルニット「暗闇のなかの希望 増補改訂版 語られない歴史、手つかずの可能性」をやっと。 ソルニットは「ウォークス 歩くことの精神史」に続いて2冊目で、ボリュウムの割に文が明瞭で読みやすい。訳がいいのかな。どちらもアンダーライン引きたくなるところが多々あって、今回は本に付箋貼って読んでたが、その点で電子書籍は楽だわ。

今やますます暗黒の未来しか想像できないが、ヴァージニア・ウルフやアーシュラ・クローバー・ル=グウィンの言葉にあるように、“希望は光を浴びた舞台の真ん中ではなく、周縁の暗がりにある” と説く。もしユートピアがあるとしてもそれは決して完成しない、終わりがないものだからこそ常に希望があるし、絶望は百害あって一利なし。って、以前読んだ「エブリデイ・ユートピア」を思い出す。世界のあちこちで連動しながらオルタナティヴなムーブメントが変化や革命をもたらしてる事例は、「死なないための暴力論」でも読んだ。確かに希望は見えにくいところにあるからしんどいけど、安易な絶望に逃げちゃいかんのだ…うーむ。

自分が小さな希望を感じたのは、別のソルニット著作「オーウェルの薔薇」からの引用、“政治からもっともかけ離れた芸術作品が、政治に飛び込ませる力を人に与えるかもしれないこと、人には力を蓄えるための避難所が要ること”。自分自身は希望になれそうにないけど、避難所からせめて応援したい。

@spnminaco
後ろ向き日記