春は少年サッカーコーチにとっても別れの季節となる。そしてそんな時期が近づいてくると、新しいチーム選びでアドバイスを求められることがある。
「良いコーチってどういうコーチですか」
そういう難問が飛んでくる。おそらく万人にとって最高のコーチというのは存在しない。誰かにとっての良いコーチは、別の人には最悪なコーチだったりすることもある。でもカラダという観点から見ると、良いコーチの条件というのは存在する。
「プレー中に黙っていられる人は良いコーチ。きっと君の才能を伸ばしてくれる。もしその人がいつも機嫌が良い人だったら、それは素晴らしいコーチ。逃してはならない」
選手の能力を上げる方法は千差万別で、人それぞれに合う合わないがあったりする。でも選手の能力を下げる方法はある程度決まっている。それは『プレー中に選手にアドバイスをすること』。そして『選手の近くで機嫌悪くいること』。だから視点を逆にしてみて、能力を下げることを ”しない” コーチがすなわち ”良いコーチ” なのではないかしらん。まあ、受け売りですけど。
そんなことを伝える。それからしばらく経って、「新しいチーム決まったかなぁ」とセンチな気分に浸る頃に彼らは再びやってくる。そして「そんなコーチいませんでした」と報告を受けるまでが子供たちとの別れのエピローグ。