知らない世界の話

たぬきA
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この世には、なかなか気付かない常識というものがある。

私は、大体の片方の親には現在と違う旧姓があることと、祖父母が父方と母方の二つあるということを、長く知らなかった。

いや、別に全くこれっぽっちもシリアスな話じゃなくて。

父と母がそもそも同じ氏だったのだ。遠縁だかなんだかで。なので、母方の叔父も父方の伯母も同じ氏だ。さらに言うと、母の故郷の村は因習村なので、ほぼ皆血族である。じいちゃんちの隣に、じいちゃんの兄が住んでいた。めっちゃ鯉を飼っていた。

そして、片方の祖母は私が生まれた時点でお仏壇だった。そう、私の認識は「オバアチャンノオブツダン」というなんかよく分からんものだったのだ。子どもなのでー、死の概念がよく分かってなかったのでー。

普通はおじいちゃんおばあちゃんが2組いると知った時の衝撃と言ったらなかった。だって、お年玉が世間一般の半分しか貰えてなかったんだぞ!!

まあね、いたらいいってもんでもないらしいと、近年判明したけどね!あんたんちは横溝正史かと言わんばかりだ。こわい。

@ssazu3210
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