もちもちの話

たぬきA
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いつも通る道筋に、八重桜の木が一本だけ生えている。ソメイヨシノよりも咲くのがワンテンポ遅いそれは、春の終わりを象徴している。

はい、情緒的な話は終わりです。終了。この先一切の情緒を捨てよ。

葉が混じり出した八重桜を見ると、なるほど桜餅ー!となる訳である。桜餅のなる木。あれだけ桜餅が実ってて枝が全然しならないの、すごいな。強いな。

桜餅、時々食べたくなる。主に、道明寺・長命寺論争が起こった時に。言わずもがなで道明寺の民である。もちもち粒々。長命寺、あれはあれで美味いのか知らないが(食べたことなし)、餅なのか? あの包んでる部分は餅なのか?

しかし、桜餅の命は花のように儚い。すぐ食い終わる。あと、すぐに柏餅の時期に変わってしまう。別に年がら年中あればいいじゃないかと思う。四季を感じろといわれても、美味いものは年中食べられて不満に思うわけがない。

桜餅と柏餅と水饅頭と栗饅頭の詰め合わせを売ってくれ。

@ssazu3210
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