印象派の薄ぼんやりした画が好きだ。
あのぼんやり感は、近視の視界に似ていて落ち着く。
そこに赤を入れるのかとか、青を差すのかとか、そういう淡い中にあるコントラストも良い。
あと、題材が怖くない。西洋絵画、人間が描いてあるとなんか怖い。影が陰というより闇で怖い。生気を吸われる。
元気がないと、見ていて負ける物というのはある。西洋絵画では宗教画がそうだし、日本だと刀剣がそれだ。
それらも好きなのだが、なんとなく夏や冬に見たい。その季節はキッパリとしたものが見たくなるのだ。逆に春秋は、印象派や水墨画のやわやわとした空気を求めてしまう。仏像は初夏、ゴールデンウイーク頃がいい。
モネ展がこの季節でよかったなという話である。