ただ君の特別になりたくて

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祖母が倒れた。

胸の鼓動が高まる。

じりじりと押し寄せる不安。

それと共に、真っ黒な感情が私を取り巻く。

ー幼かったあの頃

“男の子”に生まれなかった私は

祖父母からの愛を貰えなかった。

徹底的に起こる“男の子”に生まれた従兄弟との差別。

その事実を信じてくれない周りからの冷たい目。

決して、自分を悲劇のヒロインだなんて思っていない。

思いたくない。

でも、どこかで思っているのかも。

そこから私は“特別”へこだわりを持つようになった。

独占欲。

嫉妬深さ。

負けず嫌い。

今日も私は心に少しの闇を抱えて。

君の特別になれているかな?なんて聞くんだ。

そんなの無意味なのにね。

でも、貴方は言うんだ。

何度でも。

君はとっくに特別なんだよ。って。

少しだけ、少しだけ

窓からあたたかい光が差している。

@ssnn_929
貴方が私の言葉を好きと言ってくれたから。