やさしさの思い出話

sstygo12
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中学3年の3月、卒業式が終わって春休みになった直後に友達が突然の病気で亡くなった

すごく明るくて優しくて好きな子で、まさか死んじゃうなんて夢にも思わないし、すごくすごくショックだった

報せを聞いておうちに行ったときの遺影の写真は今もはっきり覚えてる 中学のジャージでピースしてる写真だった

買ったばかりでほとんど使ってない新しいその子の携帯はまだ解約しないで残しておくからたまに気が向いたらEメール(当時ね)送ってねってその子のお母さんが言ってくれたので、高校に通いながら、通学の電車の中で何度か近況報告を写真付きで送ってた

しばらくして、その子の夢を見た

夢の中の自分はまだ中3で、クラスでその子と将来や進路どうする?なんて話をしてるんだけど、わたしは途中からその子が卒業式のあとに死んじゃうって何故か気付いちゃうんだけど、そうとも知らないその子は「将来はやさしいひとになりたいなあ みんなにやさしくできるひとになりたい」って言ったの

誇張なしでクラスで一番やさしいのはその子だとわたしは思ってたし大好きだったんだけど、それでもやさしくなりたいって言ったその子はこのあと死んじゃうってわかってるしで、もう悲しくて寂しくてめちゃくちゃ泣いて泣きながら目が覚めて、起きてからもしばらく泣いた

別にわざわざ「やさしくなりたい」だなんて思ったことは一度もなかったし、「やさしくしたい」とも思わなかったし、なんならわりと人のことはどうでもいいと思ってたと思うし自分のことばっかり考えてたと思うんだけど、その夢を見てから15歳のわたしは「やさしくなりたいな」と、思ったんだよね

今でもずっと思ってる でもやさしさって、なかなか難しい。やさしいってなんだろう。

15歳のその子に、わたしはまだ追いつけない。

@sstygo12
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