繊細な心を持って素晴らしいモノを世に生み出してくれる人が、不特定な言葉の波に攫われてこの世を去ってしまった。
ぼくらは何かの上じゃないと生きていけない不自由から解放された結果、個人として捉えどころなく茫漠とした「社会」という存在に対峙することを余儀なくされてしまったのかもしれない。
心を柔らかく持って誰かに寄り添うことができる人が対峙するには、資本主義がつくる構造は余りにも固く、匿名の言葉の群れがつくる闇は余りにも深い。
そんな構造や言葉の群れには、きっとみんな一人では太刀打ちできない。
賢い人はうまく立ち回って直接の対峙を避けるのかもしれないけど、何かもう少し、優しい人を、温かい人を守れる壁をつくらないだろうか。