自分のホラー・ジャンルへの入り口は好奇心である。その好奇心は少し歪んでいて、奇々怪々を好むというよりは、「自分の思い通りに世界が変わればいいのに」という荒唐無稽な願いに端を発する。ホラーには荒唐無稽な出来事が数多く出てくる。それらに内在する言語化し難いものや、言語化されている結果。目や耳に神経を集中させて、ホラー作品から少しでも世界を変えるヒントを求めていたのだろうと思う。子供の頃から水木しげるの描く精緻な点描の描写に世界の広がりを感じていたし、問答無用でジョックスの命を奪うスラッシャー映画の殺人鬼に頼もしさを感じていた。……つまりは、世界が嫌で嫌で、世界を変えたかったという幼い願望を未だに捨て切れられないという話なのだが。
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