今日で二月も終わる。生活様式が明日からがらりと変わる人も多いだろう。「いぬる・にげる・さる」で三月も過ぎ去るのが早いであるだろうからして、一日一日を丁寧に生きていきたいものだ……というのは小市民的な建前かもしれない。その小市民であるところの自分としては、まず明日から仕事量が増え、花粉に怯え、天候に鬱屈としているので、建前すら捨ててどこか遠い岬にでも逃亡したくなってくる。つまり不安に胸中を灼かれている。だがものの本によると不安という感情はとてもとても小さな種々の集合体であり、それにかたちを与えているのは自分自身であるらしい。本来の意味でのサスペンスだ。ともあれ、新生活を送ることになる方々も、求めてもいない業務が増える方々にも、「頑張ろう」と無責任な放言はできないが、ひとつひとつ小さな不安を潰していってほしい。
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