今日は寒いなぁと思うときには暑い時節が恋しくなる。その逆も然り。甘いものに飽きたら辛いものが恋しくなるし、躍動感のあるアクション映画に心動かされなくなったら静かなドラマ映画が恋しくなる。そして蘊蓄多めの小説に食傷気味になれば軽いギャグ漫画が恋しくなる。極端から極端への方向性しか無いのはひとえに自分の未熟ゆえだが、ずっと家に居たらたまには外に出たくなるし、外出が多ければ家でゆっくりもしたくなるというレベルで話せば少しくらいは共感を得られると思う。
で、それらは逆張りと呼ばれるものなのだろうか。飽きを根拠とした感情の動きなのでネットミームとしての逆張りでは無いのだろう。寒いときに熱気が恋しくなる感情までをも逆張りと言われたらたまったものではない。そして都度思っていたことなのだけど、SNSに厭戦気分(敢えて「厭戦」と言う)を覚えた場合や、ルーチンワークをこなす日々の暮らしに飽いた場合、恋しくなるものは一体何だろう。◯◯に◯◯だから◯◯が恋しい、と簡単に判断できないケースにどう答えを与えるかにこそ人間の個性が出ると思う。個性は武器。アイデンティティに揺らぎを感じてしまった場合、そこに正気と勝機を見出してみるのはどうか。