父が亡くなってからほぼ毎年命日には実家に行き、そのまま(時には数日の差はあれど)母を連れてこちらに戻ってきて冬の間は母と暮らしている。
断熱効果もない古い木造家屋で後期高齢者が1人で冬を越すのはなかなかにリスクが高いと思っているので、母も含め家族とも相談した上でそうしている。本当は季節問わず一緒に暮らせるのが一番良いのだろう。でも私は早くに家を出てしまい今となっては別々に暮らしている時間の方が長いこともあり、それは正直難しいのではないかと思っている。短期間だからと時間を共にできている部分もお互いにあると思う。
(唐突に「遠慮と我慢のレベルの設定」という言葉が思い出された。これは大好きなグループ、嵐の櫻井翔さんの言葉)
両親ともに旅行が好きだったので、旅に出ることを諦めてほしくなくていろんなところに母と行った。鳥取、島根、岡山、広島、兵庫、和歌山、三重、長野…。父とも一緒に行けば良かった。後悔先に立たずとはよく言ったものだと思う。
実家に帰る母の背中を見送る度、別れの季節ともいう春の訪れを毎年感じている。いつかはわからない。けどその時は確実に近づいているのはわかる。不安に押しつぶされないように、その時にできる最善の選択を。まだまだ一緒に行きたい場所があるのですよ。