さらば青春の光の「居酒屋」というコントをご存知でしょうか?
注文してもらうために、オーダーミスと見せかけて美味しそうな食事をお客さんのテーブルに置いて回収していくという設定のコント。ありそうでない、なおかつ笑える素晴らしいコントなんですが、これが実際に目の前で起こったらどうなのか?というのが今回の題材。
年末に差し掛かりそうな寒い夜、とあるLiveへ行った後、ちょいといっぱいやりますかと入った居酒屋さんでの話。さほどお客さんも入っておらず、カウンターに2人で座り、とりあえずのビールとLiveの感想を言い合いながら呑む。Liveとはこれも込みでLiveなのだ。どう思うかは個々人で違うので面白いし、アーティストが近くで見れて生の演奏を聞くことができる時間は意外と贅沢で稀な経験である。
ビールがそろそろなくなりそうになったその時、店員さんが「はい、ハイボール2つ」とテーブルに置いて、去っていく。互いに目を合わせ、頼んだっけ?と。せっかくだから、このままもらおうかと思ったけど、さすがに悪いのでカウンターにいた店長らしき、店員さんに「ごめんなさい、頼んでないっす」と声を掛けた。
これ、どっかで見たコントだなあと。なんでしたっけ?と店長さんとしばし話す。あーさらばのコントだとなって、じゃ、「ハイボール2つ、お願いします」と結局オーダーした。あのコントが成立してしまった。
ほっこりした瞬間である。何気ない日常のちょっとした嬉しい時間は、貴重すぎてありがたい。僕にとっては少し早いクリスマスプレゼントだった。