粉雪

stupid
·

ゆっくりと、まるでスローモーションを見ているかの如く白い粉がゆっくりと地面に向かって舞いながら落ちていく。今日に限ってはいつも外れる天気予報は当たったようで、しばらくすると本格的に雪は振り始めこのままいけば、積もって明日には厄介な朝として様々な報道がされるんだろうと、他人事の感想を考え、コーヒーを飲みながら外を眺めている。

子供のころは、ワクワクした雪もいつのまにか、どちらかと言えばマイナスの感情の方が大きくなってしまった。冷たいはずの雪も走り回って、暖かい雪合戦を楽しんだのは、いつのことだろうか。眩しすぎて今や、過去のどこかに置き忘れられ、そのまま迷子になった。今や、スノースマイルはいい曲だよね、冬って感じだね、で終わり。できれば寒くないほうがいいなと思うくらい。

と、再度外を眺めている。これは確実に積もるなと分かるほどの大きく水っ気のない雪がベランダにまで舞い落ちてきている。地面に着地した瞬間に溶けてなくなるような種類の雪ではなく、まるで生きているかのように存在証明しつつなくなりかけると、上に覆いかぶさる新たな雪が着地する。

今日の夜も明日の朝も交通は麻痺するだろう。聞きたくもないニュースばかりが耳に入る今年の流れに水ではなく、雪をさして洗い流してくれたらと。

今日の夜は、温かいものでも作ろう。

@stupid
日々の戯れ言。