知らないふり

❄︎ ❅ ❆
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会いたいひとに会えるかもしれない、と、急に思い立って、宛もなく歩く夢

連絡は取れるのにどこにいるかわからないそのひとを探して、何故か裸足で、とにかく歩いて歩いて歩き回った

道もわからないし、足も泥だらけになって、もうだめだ会えないと諦めようとしたら、会いたかったひとが嘘みたいにそこにいた

出会えたことにとても驚いた

本当に会えるなんて信じていなかった

私は嬉しかったのに、彼は会ってすぐに「もう帰らなくちゃ」と言ってタクシーを停める

私はたちまち淋しくなる

ぼんやりとタクシーを眺めていたら、会いたかったそのひとは私がタクシーに乗るのを待っていた 何か言ってくれないとわからない、と思いながらタクシーに乗る

でも一緒に帰るんじゃない

駅まで見送るだけだ

優しいかもしれない、でも淋しい

私は裸足のまま