何年前

ohta
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20代はじめ、街中にある小さな作品を取り扱うお店で接客やバイヤーをしていた時期がある。仕事のたのしさと苦しさにもがいていた時期でもある。

大学を休学して、フルタイムみたいなシフトでばりばりに働いていたその時はハリネズミみたいに気持ちが尖っていて、何をするにも敏感に悩んでいた。悩んでいたことをひとつずつ溶かしていくために今お店をしているのかもしれないな(そんな訳もないのだけど)

先日、その時のお客さまと再会した。おおよそ10年前。えっ…もうそんなに経ったっけ?そんなに時間が経過しても名前を覚えてくれて、巡り巡った縁で、そしてとても近い場所にお互いが存在していたことが不思議で、世界って狭いものなんだと思い知った。当時ちょんちょんなショートヘアだったことをきっかけに覚えていてくれた。「また髪を短く切ろうかな」そう思っていたところだったので、神さまも髪を切りなさいと言ってるのかもしれない。

この感動はずっと、そっと覚えておきたい。

@sudachi
京都でお店を営んでいます。