2023年みた映画(配信)

sugarhigh
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2023年に配信で初見だった映画たちのちょっとした感想めも。(映画館でみた映画とひとつの記事にまとめようとしていたのだが、文字数上限を超過してしまったので別記事とします)もっとみたような気がするのだが1~7月頃の記憶があいまいすぎてなんも思い出せない。なんも思い出せないが一時期はずっとディズニーのミュージカル作品と「レ・ミゼラブル(2012年版)」「ヘレディタリー/継承」「バトル・ロワイアル」を流していたような気がする。どうして?

・赤と白とロイヤルブルー(吹替)

配信開始前からツイッターで話題になっていたので楽しみにしていた作品。男男の恋愛作品を嗜む友人といっしょにみながら「コマ割りが見える」「鈴木ツタ先生あたりが描いていた気がしてきた」「いやこの双方のかわいさ……夏目イサク先生では……!??」などと言い合っていた。大統領子息と王子の恋愛ということで現代のおとぎ話と称する感想を多く見たけれど、「同性間の恋愛関係に偏見のない家族・友人」「大統領をはじめとする女性リーダーの存在」「政治活動に主体的な若者」があまりにも理想の世界すぎて、そういう意味でおとぎ話だよこんなんはよ……とうめいていたし、その要素をおとぎ話と感じない世界になってくれよ……と思った。アレックスがセクシャリティをカムアウトした時にママが当然のように性教育について再確認していたシーンがとても好きで、バイセクシャルについてLGBTQの中でも取りこぼされがちよね、という気遣い、性交渉をいやらしいものとして扱わず、当然あるものとした上で必要な知識を確認する「親」としての責務をはたす姿にじんときたし、本当に……これをおとぎ話と感じさせない世界になってくれ…………。個人的に男男の恋愛作品における女性キャラクターの存在の薄さ(女女の恋愛作品における男性キャラクターの存在の薄さ)をかなしく思っているニンゲンなので、登場する女性たちがそれぞれみんな賢くやさしい存在だったこともとてもうれしかった。あとクライマックスでゲイであることを公言しようとするヘンリー王子に対しておじいちゃんが「いいこだから!」と言って行動を止めようとするシーンが印象的で(吹替視聴なので字幕でどう訳されているかは存じ上げないのですが……)このひとはずっと「理想の王子」として生きてきたし、ゲイであることはその理想の妨げになっていたのだろうなと感じられて、けれどヘンリーがゲイであることを公表することで祝福を受けるラストはそれまでの彼が否定してきたであろう彼自身をも肯定してくれたのかなあと思った。すごいBL!!!としておたくの中だけで話題になるのではなく、政治の話題を絡めたポップだけれどまじめな恋愛作品として、たくさんのひとにみてもらいたいなあと感じた作品だった。とても好き。

・コンスタンティン

映画館へ行くたびにジョン・ウィックの予告をみていたので、なんか……キアヌ・リーブスの映画みてみたいな……と思い、おたくはみんな好き!というツイートを見てからずっと気になってネトフリのマイリストに入れていたコンスタンティンをみた。これは……たしかにおたくはみんな好きだわ…………。どこを切り取っても絵力がつよすぎるし設定も展開もおたくが好きすぎるしキアヌ・リーブスは一生かっこいい。中学生の頃にみていたらそのままキアヌ・リーブスを追いかけるおたくになっていただろうな……と確信を得た。希死念慮がマックス猛威をふるっている頃にみたので、「自殺した(自殺を試みた)人間は必ず地獄へ行く」という設定のもと地獄の風景を見せられたことにだいぶショックを受けて落ち込んでいた。続編が始動したとかしないとかの噂をインターネットで見かけるが、もし続編があるなら絶対に劇場でみたい。

・天使にラブ・ソングを…

絶対にみて落ちこまない確信のある作品がみたい、できれば明るい音楽がほしいというきもちでみた。めちゃめちゃおもしろかったしそりゃあ名作だわ!!!!と納得した。音楽はひとを集めて団結させるパワーがあるし、やさしさはどんな形であれ少なからずひとをすくうのだということを感じられてよかった。いやシンプルにめちゃおもしろい映画だった……家族があまり映画をみないひとたちなので所謂名作映画にあまりふれたことがないのだが、名作って……おもしろいから名作なんだろうな……。

・ウィリーズ・ワンダーランド

ツイッターで話題になっていたので友人とピザを食べながらみたらピザを食べながらみるにふさわしいB級映画でサイコーだった。恐怖を物理で撃退していく(そもそも恐怖を感じているとは思えない)ニコラス・ケイジのおかげで1ミリも怖くないしエンディングはやたら爽快感があってずるくない???とウケた。友人とワイワイ言いながら定期的に見返したくなるタイプの映画だ~。

・IT/イット “それ”が見えたら、終わり。

・IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。

前述の通り名作映画にあまりふれてこない人生だったので「スタンド・バイ・ミー」は未視聴のニンゲンなのだが、ホラー要素のあるスタンド・バイ・ミーという感じなのだろうなあと思った。旧作シリーズも未視聴。"LOSER"のみんなが力を合わせて恐怖と対峙していく設定がすごくアツいな……と思ったし、恋や友情、思春期の傷と向き合いながら恐怖と戦う1作め、少年期のトラウマを抱えたままに大人になった彼らが改めてその傷と向き合って恐怖を打倒する2作め、どちらもそれぞれすごくよかった。(個人的には1作めの方が好きだけれど、2作めのベンによかったねえ~……になったし、どちらの作品でもビルとリッチーの対等な友人、だからこそ対立し協力するという空気感がとても好き)字幕で視聴してからウィキペディアをみたら吹替声優さんがメチャ豪華でビックリした。

・呪詛

自分にだいぶホラー映画耐性がある気がするな……と気づきを得たことで爆バズりしていた頃にはこわくて避けていた呪詛をみた。めちゃめちゃめちゃめちゃおもしろかった、というか作り手の性格が悪い!!!クソ!!!!!(めちゃめちゃよくできていてくやしい!!!!!)土着信仰もののホラーということでミッドサマーを引き合いにした感想をよく見かけたけれど、日本人はミッドサマーより呪詛の方が断然「嫌」だろうなと思った。(そもそもミッドサマーは土着信仰のホラーというよりひとはこうしてカルト宗教にハマっていくんだという怖さがあるというか、呪詛とは趣旨におおきな乖離があるけれど……)呪詛に登場する土着信仰の手触りは仏教ベースなんだろうなという感があるからか、日本にもありそ~……と感じる身近な気配がある……。とにかく演出と伏線回収がうまくてマジで作り手の性格が悪い………と言いながらみていたし2023年配信初見の映画の中でも特に自分にヒットした作品のうちのひとつ。クライマックスのさ~~お経?祝詞?をBGMに一文字ずつ漢字が映し出されてゆく演出、漢字の下にふられたアルファベットのルビをよもうと目をこらしていたら、それまで直視するのを避けていたマークをシッカリ直視して目に焼きついてしまって、やられた!!!!!!と膝を打ったわよね……くやしい……作り手の性格が悪い……演出がうまい…………。あらゆるシーンの演出のうまさ、映像のうまさについてひとと話したいきもちなのだが、ガッツリホラー作品な上に虫も集合体もひとが嫌悪感を覚えるものはぜんぶ詰め込みました!みたいな作品なので(作り手の性格が悪い……)マジでひとに勧められずぐぬぬと思っている。

・呪怨:呪いの家

自分にだいぶホラー耐性がある気がするな……と気づきを得たことでみた作品その2。打ちながらこれは映画じゃなくてネトフリのドラマシリーズだな……?と気づいたがまあいいでしょう。主演の里々佳さんがあまりに好みすぎて、次第に人生に影を落としていくさまもうつくしく感じてしまい恐怖に集中できなかった……本当に……お顔が好みで……。じっとりした空気感が無印映画呪怨を彷彿とさせると感じていたところ、90年代の象徴的な出来事を直接的・間接的に盛り込んで作られているという記事を読みなるほどなあと思うとともに、けれど90年代のオリジナル作品にある独特のざらつきまでは表現されないのが不思議だなあと思った。(フィルムの物理的なざらつきもあると思うのだが、90年代頃の映画にあるざらついた空気感というか、バブル崩壊とかノストラダムスの大予言とか当時の事件とか、当時の世相を薄らと感じるようなつめたさがなんとなく好きなので……)あらゆる映像作品の撮影によく使用されている地元駅前がここでも使用されていたが、よく使われる場所からすこしはずれた場所が使われていてニコ……とした。個人的にはメチャこわい!というほどではなかったのだが、作り手が作りたかったであろう映像と空気感とが好きだな~と思った。

・冷たい熱帯魚

ヒメアノ~ル(メチャ好き映画)と並べて話題にされているのを見てそういえばみたことないなと思い視聴したのだが、視聴中どうしても監督の性加害問題が頭をちらついて作中の性描写に対する嫌悪感がつのってしまい、なんともいえないきもちになった……導入の雑な手つきの家事に合わせて不穏なイントロが流れていく演出とか、社本が村田を殺害するシーンからのエンディングとか、映像としていいなと思う部分があるからこそ余計にこの性描写は必要なのか?性的搾取にしかなり得ないのではないか?という思いを抱かずにみたかったなのきもち……。

・ザ・メニュー

みおえてからというものとにかくグルメバーガーが食べたくて仕方なくなった……。とにかくマーゴが魅力的なキャラクターだった。作り手と受け手のすれ違い、傲慢な消費者に対する高尚な復讐劇を描かれた作品、どう評価したところで自分もまた傲慢な消費者のうちのひとりに過ぎないのだと感じさせるところがニクいつくりだな~と思う。ツッコミどころはあれど個人的には好きな映画だった。

・ジョン・ウィック

・ジョン・ウィック:チャプター2

・ジョン・ウィック:パラベラム

夏映画をみるたび流れていたジョン・ウィックの予告映像があまりにおもしろそうすぎて過去作を毎日1作ずつみた。個人的には1作めがいちばん好き。たしか1作めだったかで"Good dog."という台詞が字幕で「いい子だ」と訳されているのがメチャ良~~……と思った。いぬはよいものだし……。最強の殺し屋のジョン・ウィックが妻を愛するただの男であるというキャラクター造形がめちゃめちゃ好きだしコンチネンタルの設定にもわくわくするし出てくる女が毎度サイコーすぎる。コンスタンティンをみた時も思ったけれど、もしかして……洋画って中二ごころをくすぐりまくる……!?!?配信で3作みながらア~これ絶対劇場でみた方がたのしいだろうな……と思ったので、最新作を劇場でみられて本当によかったなあと思う。

・コンフィデンシャル/共助

こちらも夏映画をみるたび続編の予告映像が流れていて気になったので視聴。韓国の映像作品をみるのははじめてだったのだが、韓国映画における北朝鮮の扱いってこゆ感じなんだ……という目からうろこがぼろぼろ落ちた。(日本に住む、海外についての知識の浅い自分にとっては諸外国は等しく『海の向こうの異文化の世界』だけれど、そりゃあたしかに南北朝鮮は地続きだし文化も似てる……そりゃあそう……という初歩的な気づき……)あとヒョンビンめちゃめちゃかっこい~……と思ってたら作中でもハンサムな方として扱われていていやそうだよね……どう見てもかっこいいもんね……と納得した。バディアクションものとしてふつうにめちゃおもしろくて、エッッこのコンビが仲を深めた状態で再登場する映画がもうすぐ公開されるんですか!???とはしゃいだ。(のに、タイミングを逃して劇場でみそびれたので、配信を待つ……)

・ヘルドッグス

バッド・ランズがあまりにめちゃめちゃめちゃめちゃ刺さったので同監督のノワール映画をみるぞ!と視聴。こっちはオム・ファタールのノワール映画でした。坂口健太郎は線の細い優男という印象がつよいのだが、狂犬の役が大変ハマっていて、終盤の室岡と三神のやり取り、三神の言葉をさえぎるようにキスをして中指を立てながら階段からつきおとす流れがあんまりにもつきささりすぎて絶句してしまった……こんなん………こんなん商業BLでいくらでも見たいが………。離別するエンディングからの兼高と室岡の出会いで〆となるつくりがめちゃめちゃ好き、自分も本を作るなら絶対オチにふたりの出会いをもってきたい、わかる……とめちゃ頷いていた。しかしテレビ視聴では登場人物の台詞が聞き取りづらくて、映画館でみたらもうちょい没入できたのかな……と残念なきもちになった。個人的にはバッド・ランズの方が好きなんだが、バッド・ランズをみずにこちらを先にみたらふつ~にめちゃ好きだったろうなと思う。ネリとジョーといい兼高と室岡といい原田監督が原作改変してつくるキャラクターが刺さりまくるんだろうか……。

・カールじいさんの空飛ぶ家(吹替)

ディズニーランドの40周年パレードでカールじいさんのフロートがあったのを受け、そういえばみたことないな……と視聴。想像していたよりもカールじいさんが偏屈ジジイでウケたが、それはそれとしてオープニングのエリーとの出会いから死別までの映像が好きすぎてもうそれだけで愛してしまうしラッセルとダグがとにかくかわいい!てゆかわんちゃんたちはみ~んなかわいい!個人的には「愛する妻が死にました― だから私は旅に出ます。」というキャッチコピーの印象がつよかったのだけれど(当時テレビでたくさん見たのだと思われる)円盤キャッチコピーの「人生って、最高の冒険だ。」の方が内容には則しているのでは?と思い……感動系の映画かと思って足が遠のいていたのに意外としっかり冒険ものでビックリした……もっと早くみればよかった……ダグが本当にかわいいのでもふもふのぬいぐるみがほしい……。

・WALL・E(吹替)

今までピクサー作品でいちばん好きなのは「リメンバー・ミー」と言っていたが今後は「WALL・E」をそう評そうと思う……好き……。非言語情報が多い印象がありきちんと腰を据えて観ないと楽しめなさそうと思って長らくみられずにいたが、きちんと腰を据えて観て大正解だった。そもそも荒廃した地球に取り残され「感情」というバグを持った旧型ロボットが最新型ロボットに恋をする、という設定の時点で好きそ~……とは思っていたのだけれど、その好きそ~……と感じた要素にさらに加点するばかりで、非言語の映像ばかりなのに伝わってくるキャラクターたちの感情、音のない宇宙でふたりがする「ダンス」のうつくしさ、生き延びるのではなく「生きたい」という意思を持つ人間のつよさ、なにもかもが好きすぎてウワ~……と頭を抱えた。個人的にピクサー作品の物語中盤にある主人公の挫折経験(仲間との対立やアイデンティティの喪失)描写に毎度胸がキュ……となってしまうので、そういった描写がないところも込みで本当に好きなところしかなくて、これももっと早くみればよかった~~!!!とジタバタしたし趣味の合う友人みんなにみてほしい~~!!!と思っている。とりあえず2023年中に友人ひとりにはみてもらえたのでとてもうれしい。

余談1:2023年映画館でみた映画マイベスト10(鑑賞順)

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー/君たちはどう生きるか/リバー、流れないでよ/ヴァチカンのエクソシスト/SAND LAND/ジョン・ウィック:コンセクエンス/バーナデット ママは行方不明/BAD LANDS バッド・ランズ/シック・オブ・マイセルフ/トーク・トゥ・ミー

余談2:2024年こそみたいな~と思っている映画

マトリックスシリーズ/羊たちの沈黙/ビートルジュース/バービー/ハリーポッターシリーズ/スタンド・バイ・ミー/バック・トゥ・ザ・フューチャー

おしまい!

@sugarxx
とりとめないめも