沖縄に来て3日目、最終日。今日は休みを取った。大学時代の友人Mちゃんに会うためだ。
そもそも沖縄に来た理由がMちゃんに会うためだった。結婚して夫の仕事の都合で沖縄に移住したMちゃんは、数少ない私の学部時代の友達だ。数少ないと言ったが、今でも連絡を取るのはMちゃん1人である。Mちゃんとも長らく連絡をとっていなかったのだが、1年くらい前からお互いにわかにInstagramを更新するようになり、たまに投稿に反応したDMを送り合うようになった。
9年ぶりに会ったMちゃんは、あんまり変わっていなかった。大学時代は自転車で並走していたのが、自家用車の運転席のMちゃん、その助手席の私という構図に変わったくらいだった。事前に適当に送りつけていた私の行きたいところを緩く線で結んでもらって、気まぐれに追加箇所に立ち寄りながら、1日ドライブをした。
会う前は緊張していたが、ダラダラと1日中話をしたのは、なんだかとても楽しかった。仕事の話や家族の話や最近読んだ本の話や少しの昔話を、ボソボソと話して、笑って、たまに盛り上がった。Mちゃんが話に出した作家の本を、私も読んでいたことが嬉しかった。そのうちの1人の講演を無料で聞く機会があったのに、職場の人がノッてこなかったと言っていた。勿体無い!と同調した。講演会の時の資料は後部座席に転がってるんよね、めちゃくちゃファンなのに資料は転がしておく程度なんよねって言って笑った。もうすぐ生まれる子どもには、好きな作家の名前をつけようとしているらしい。性別はもうわかっているが、男でも女でも違和感のない名前にしたいと言っていて、そのこだわりも、Mちゃんぽいなと思った。
帰りの飛行機で、そもそもなんで我々は仲良くなったんだっけと考えた。同じクラスだったんだけど、クラスは40人?もっと?いて、女子はその半分くらいだった。文学部は必修科目がほぼなくて、各々好きな授業をとっていたし、顔を合わすのはせいぜい週に数コマの語学の授業くらいだったはずだ。その数コマで、きちんと仲良くなれたのか。大学生のパワーはすごい。そういえばmixiの日記とかつぶやきに反応して一緒にカフェに行ったり、講演会を聞きに行ったりもした。そういう、細かい一歩を踏み出しあった結果なのか。
我々に、共通の友人や知人がいないのも、なんだかちょっと不思議な感じがした。コミュニティに属している感覚がない。あの人は今どうしているこうしている、という話が出なくて、ずっと自分と相手と関係ない第三者の話をしていた。意外とそういう関係ってないかも、と思った。
そんなことを考えていると、飛行機は無事空港に着いた。機内アナウンスによると気温差が10度以上あるらしい。カーディガンをすぐ取り出せるようにしてあったけど、それは着ずに、半袖ワンピースに春コートを羽織って外に出た。いつまで経っても身体の熱が取れなくて、顔に当たる風の冷たさが、却って今まで沖縄にいたことを強く感じさせた。
帰りは「ばにらさま / 山本文緒」を読んだ。短編集。居心地の悪い感情が地に足をついて綴られていて、頭が文章でいっぱいになった。どの話も最後の展開の一歩手前でハッとなる瞬間があり、してやられたり、とも思った。三宅香帆さんの解説も良かった。生活。
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この一ヶ月、よく人に会っている。
概念会は来週の金曜日です!チョコの話待ってます!エブリバーガーは食べられたのでしょうか?果たして?