ミュージカル「トッツィー」を見てきた。生いくさぶを一度見てみたかったのと、御園座に行ってみたかったのと、ミュージカルってやっぱりいいよねの気持ちでチケットをとった(というか母親がとってくれた)。
こだわりが強いが故にチームワークがうまくできない売れない俳優マイケルが、賭けに出るしかないと女装して乗り込んだオーディションに合格、ドロシーとして売れっ子になればなるほど、人間関係や恋愛関係がこじれていき、誰も幸せにできていないことに気づき……みたいな話。笑いどころたくさんのコメディテイストとは裏腹に、「女性だから謙虚でいなくてはいけない」「笑顔を振り撒かなくてはいけない」「わきまえなくてはいけない」「男に勘違いさせてはいけない」etc……という余計な障壁があることがそのまま語られており、ある意味女性負けへんで物語でもあった。とはいえ、負けへんでを体現するのは女装した男で、結局、表層しかわかってないくせに!!!!!批判されるのだが(ハイヒールで100マイル歩いて100回こけろ!と言われていた)。わかったような気になるのも、説教するのも違う。エンパワメントとは別の連帯を感じた。
私は、ミュージカルにカタルシスと大団円と、できれば階段で全員で歌うラストを求めてしまうので、やや物足りなさを感じたが、コメディはしっかりおもしろく、みんな達者でとても良い時間だった。
生いくさぶは、案の定めちゃくちゃかっこよかった。歌が上手い。足が長い。あと、ちゃぴ様がとても可愛くてとてもかっこよかった。ワイドパンツ似合ってたな。ハードめな歌を歌うところなんて、ファンにはたまらんのじゃなかろうか。
御園座、赤くて、合ってた。
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破綻。