「オッペンハイマー」を見てきた。
事前に予習すべきという噂を聞いたので、登場人物だけでも頭に入れておこうと思ったのに、登場人物すら頭に入らなくて焦った。
けど、読んでおいてよかった。個人の名前までは覚えられなかったけど、出てくるキーワード(冷戦、共産党、ユダヤ人 など)を抑えているかどうかで理解度は変わると思う。一応、話を見失うことはなかったのでよかった。
日本で平和教育を受けた者だからこそ味わえる感情や感覚があって、そういう意味ではおもしろかった。どんなにそれっぽく語られても「原爆を落としたことで戦争を終わらせることができた」という言説に賛成ができないのは、教育の賜物だなぁと思う。論理より生理的な嫌悪感が先立つ。ちなみに、アメリカの若者の半数くらいが「原爆は必要悪だった」という考えに反対するようになっているらしい。若者の半数が、賛成する言説なんだ?!いわんや?!とかなり驚いた。そりゃ、いろんなことが、あぁなるね。なるほど。
映画の中の原爆及び日本の書き方に関しては、私はそんなに気にならなかった。たぶん、実際のアメリカではあんな感じのテンションだったんだろうと思う。オッペンハイマーの周りの人によるエクスキューズは差し込まれているし、光や肌が飛ぶ演出は比喩的な印象を受けた。「罪を犯したのに同情してもらえると思うのか?」に尽きるんだろう。ヤバさに潰される感覚も、まぁそうだろう……と思えた。
ただ、私が日本で平和教育を受けてきたからそう思えるのかもしれない。アカデミー賞作品賞受賞作だけど、現地でどんな評価がされ、どんな感想を持たれているかの方が気になる。どこまで読み取れるものなのかも気になる。そういう意味では、日本の被害を軽視してるという声が上がるのも、まぁそうだよなって感じ。
とりあえず、映画館で見た方がいいのは確実。音と衝撃による映画体験ってまさにこれだ!って感じだった。IMAXとかで見たらよりすごそう。
あと、オッペンハイマーが「僕たち夫婦はいろんなことを乗り越えてきた」的なことを言った時に思い起こされたのが、オッペンハイマーの浮気相手が死んだ時だったのは、そこ?!ってなっちゃった。お前、なかなか勝手だな。
会話中心だしテンポと伴奏が良いので3時間あっという間だった。
オープニングトーク!