3月の本の話

sui
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去年の11月に初めてイベントに参加し、本も出したばっかりだと思っていましたが、あっという間に先月のインテで2冊目の本が出ました。ということで、今回出した本の装丁の詳細はこんな感じです。

『Room No.1110』| B5正方形 | 86P

【本の詳細】

▶︎表紙用紙:ヴァンヌーヴォLT-FS スノーホワイト195kg

▶︎本文用紙:モンテシオン 81.5kg

▶︎遊び紙:アートドリープ リズム(前後同じ)

▶︎特殊加工:表2・3印刷、変形断裁、本文単色刷り(黒藍)

▶︎印刷所:おたクラブ様

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【カバーの詳細】

▶︎カバー用紙:コート紙135kg(マットPP)

▶︎特殊加工:変形断裁、カッティング加工(窓抜き)

▶︎印刷所:Print-ON様

11月のイベントが終わったあとに次は何の本を出そうかな〜と考えていた時に、流と花のルームシェア本が出したい!という漠然とした思いつきからこの本ができました。

元々、ルームシェアのお話自体は去年の3月に🏀にハマってから2ヶ月ぐらい経ったあと、自分がもし本を出すなら…とメモをしながら考えていた時になんとなく浮かんでいたものの中の一つだったので、いつか出せたらいいな〜ぐらいに思っていたのですが、まさかこんなにも早く形になるとは思っていなかったので自分でもびっくりしてます。(今回の本のタイトルはその時のメモに書いてあったものをそのまま使いました)

それから、本の形はずっとやってみたいと思っていた正方形、サイズは表紙のイラストが映えるようにしたかったのでB5サイズにしよう と着々と決めていったあと、表紙のデザインはどんな感じにしようかな〜と商業系の本のデザインを片っ端から見ていた時にカバーが窓抜きされている本を見つけ、こういう感じの仕様ができたら二人の生活を覗いて見ているような感じにできるのでは……?と思い、最初は予定していなかった窓抜きカバー付きの本にすることを急遽決めて大体ざっくりと本の仕様が決まりました。

そして最初に考えた表紙案がこちらになります。

最初は今よりもビビッドな配色で作ってました。(多分元気で明るい感じにしたかった)

そのあと、大体の表紙のイメージを露さんに共有し、描いていただいた表紙イラストを元にデザインを再度編集し直したものがこちらになります。

イラストがとても暖かみがある感じのものだったので、色味も暖色系に寄せたり、文字の大きさなども色々と調整したりしました。

そこから更に中央の丸の大きさなどより細かい微調整などを繰り返し、最終的に完成したものがこちらになります。

🏀を配置したりなどしてより賑やかな感じのデザインにしてみました。

中の表紙はカバーをわりかし派手めに作った為、なるべくシンプルなデザインにして中の表紙で使うヴァンヌーボの紙の良さ(手触りが良く、暖かみがある質感)を活かし、露さんのイラストがより映える感じに仕上げました。

本文については今回はあまり小説っぽい見た目のものにしたくなかったということもあり、明朝体ではなく丸ゴシック体を使ってみました。実際に本になったらどんな感じになるのかなと少し不安もありましたが、結果的にお話の雰囲気に合ったものになったので良かったです。

また、本文の色についても黒じゃない色を使ってみたかったので色々な作家さんの作例を見てとても良いなと思った本文用紙がモンテシオン、インク色が黒藍の組み合わせでおたクラブさんに印刷をお願いしました。

この組み合わせが本当に最高で……!モンテシオンが暖かみがある風合いの紙で今回の本の雰囲気とうまくマッチしてくれたので良かったです。個人的にも今回の本を通してお気に入りの紙になったのでまた機会があったら本文用紙をモンテシオンにして本を作りたいな〜と思いました。おすすめです。モンテシオンはいいぞ。

遊び紙は個人的に前から欲しいと思っていた紙を使ってみました。パッケージとかに使えそうでとても可愛い紙だな〜と前から存在自体は知っていたのですが、まさか本の遊び紙で使うことになるとは思っていなかったです。今回、カバーの印刷所さんは早々に加工の自由度の高さからPrint-ONさんにお願いすることは決まっていたのですが、本はどこの印刷所さんにしようかと色々見ている時におたクラブさんだとこの紙を遊び紙で使うことができるとHPで知り、本の印刷はおたクラブさんにお願いしよう!と決めた経緯があったりします。

あとは表2・3印刷について。前回の本でやってみたいなと思ってはいたものの、お話の雰囲気とか色々考えて結局やらなかったので今回こそは…!と思い、アクキーとマグカップのデザインでも使った楓と桜を組み合わせた柄を全面に配置してみました。結果、なんか家の壁紙っぽい雰囲気になったのでとても気に入ってます。

そのほか、B5サイズということで紙面がゆったりしてる分飾り枠をつけたらどうかなとか、なんとなくお話の順番は朝(花)のお話から始まって最後は夜(流)のお話で終わりたいな〜と考えていたので表2・3に使う色も朝と夜っぽいイメージの色を使ってみたり、段々と本文にイラストも入れたい…!と思い始めてきたので急遽、露さんにお願いして挿絵を描いていただいたりなどして色々てんこ盛りな内容の本になりました。

特に露さんに描いていただいたイラストが本当にどれも素敵で…表紙イラストと挿絵で描かれている流と花がそれぞれ着ている服なども露さんに全てお任せで描いていただいたのですが、流と花が着ているTシャツなどは花が安いお店で買ってきたものという最高設定も考えていただいてめちゃくちゃテンションが上がりました。実際に本を手に取ってくださった方はその設定も頭の片隅に置きながら作品を見ていただけると嬉しいです。(私は人物紹介の所で二人が着ているTシャツを見てあまりにも可愛すぎて悶え死にそうになりました)

今回の本は1冊目の本作りのハードルを乗り越えて色々とやってみたいことができたのでそれに次々と挑戦した加工詰め本になりましたが、最終的に本の雰囲気に合った感じのものに仕上がったのでとても楽しかったです。(作ってる時はやることが多すぎて永遠にゴールが見えないな…?って感じになっていましたが)

6月に出す本は今回みたいな楽しい雰囲気のものではなく、どちらかといえば1冊目の本に近い雰囲気のものになりそうですが、また何かしら特殊加工に挑戦できたらいいな〜と考えてるので無事に出せたら見ていただけると嬉しいです。

その前にお誕生日小話本を完成させます。印刷はレトロ印刷さんで頼む予定なのですが、使いたいなと思っているメインのインクが今月いっぱいまでしか使えないインクなのでこれからまた原稿レースのスタートになります。忙しないけどとても楽しいです。引き続き頑張ります。

完成したらまたこんな感じで本の仕様などをまとめたいなと思っているのでもしご興味がありましたらお時間がある際に覗いてみてください。

最後に、新刊が完成したら一緒に撮りたいなと思っていた写真を貼り付けておきます。

表紙の流と花がそれぞれ手に持っているマグカップはこのマグカップをイメージして露さんに描いていただいたものだったのでやっと一緒に写真を撮ることができてとても嬉しかったです。それでは〜!