いつの間にか3月が終わっていた。気がつけば、ぽかぽかと春の訪れ。窓を開けても平気になったし、電気ストーブは片付けなければいけない。季節が容赦なく進んでいく。ぼんやりと天井を見つめることしかできないのに。
3月末に抗うつ剤を変え、4月に入って睡眠薬が増えた。無自覚だったが、睡眠に難ありらしい。ぐちゃぐちゃの睡眠時間を見せたら、日付が変わる前に寝ましょうねと言われた。学生の頃からよく夜更かしをしていたので、がんばります……と小さめの声で返した。今のところ、薬は飲み忘れていないし、就寝時間も守っている。真面目さが取り柄だと思う。
眠るといつも、うっすら夢を見る。大抵に家族が登場して、起きると泣いている。未だにそんな昔で立ち止まっているらしい。ほしかったものは手に入らない。期待した答えが貰えるなんて有り得ないと、嫌というほど分かっている。それでもすべてを投げ出して、たすけてと縋りつきたくなる。余計に傷つくだけだから、やらないけれど。
身体を動かせる時間が少し増えてきた。部屋の掃除や片付けができるのは嬉しい。対して、精神面はまだ落ち着かず、漠然とした不安感に苦しむ。それでも、薬のおかげである程度は穏やかで、服薬での変化に驚く。布団に横たわる時間は、まだまだ長いけれど。
小さな部屋は、社会から切り離され続けている。