(猫のトイレ事情の話があります)
うちにまだ白黒だけだった頃。
白黒のトイレの好みは「大は猫砂に、小はトイレシートに」だった。
そもそもの発端として、小のほうの粗相が度々あった白黒(ソファを計3つ処分したしソファのある生活は諦めた)だったが数年前のある日気付いた。
こいつ布の上でしか粗相しないな?と。
ソファ以外には布団の上、バスマットやタオルなどの布製品の上だけだった。
そこで主に犬用のトイレシートを挟むタイプのトイレを置いてみたがこれが大成功。
粗相はぱったりとなくなり、小はシートにしかしなくなった。大だけは砂が良いらしく、うちには砂のトイレとシートタイプのトイレが置かれるようになった。
それから数年。
三毛がうちにやってきた。
数日はケージの中に三毛用の猫砂トイレを置いていたが、すぐに環境になれて自由にさせたのでトイレは猫のトイレコーナーに移動した。
その頃すっかり猫砂トイレは大専用になっていた白黒が、三毛のトイレが同じ場所に置かれてからしばらくの間、猫砂に小をするようになったのだ。
最初は珍しいなと思っただけだった。すっかり猫砂トイレ使ってるじゃん、と。
しかし今思うと、あれは白黒なりの三毛への教育だったんじゃないだろうか。
今度からトイレはここ。大も小もここでするんだよ、僕はちがうけどね、と。
実際三毛はなんなくトイレを覚えたし、白黒はしばらくしたらまたシートのトイレに小をする生活に戻った。三毛が来たての、あのいっときだけだった。
(ちなみに白黒は家の中と私たちを信頼しきっているのか、大の後に全く砂をかけない。隠さない。丸出し。なので大変臭い)
(三毛はまだ慣れきっていないのか、きちんと砂で隠すので掃除の時に発掘されるまでこっちも気が付かない)
他にも三毛は白黒から見て学び、白黒が長年お気に入りの爪研ぎ用の角材を一緒に使うようになり、日向ぼっこに最適の場所も教わったらしい。
逆に白黒は、やんちゃな三毛の相手をするうちに随分温厚になり、忍耐強くなった。
ブラッシングもつめきりも足裏の毛のカットも嫌がり、爪を立ててでも無理やり逃げるのでたまにしかできなかったのが、最近は嫌そうにしながらもちゃんとやらせてくれるので助かっている。
猫の多頭飼い。したいけど無理かなとずっと思っていたところに運命の出会いをし、成り行きでその夢が叶ってしまったけど、今は2匹になって良かったと思っている。
白黒と三毛は10歳離れているので、何事もなければ白黒が先に亡くなるはずだ(考えたくもないけど実際問題、現実は現実なので…)
その後も三毛があの角材で爪を研ぐのを見ると、その中に受け継がれた白黒の一部を感じるだろうと思う。
猫は一度飼うと、一生離れられない。
きっと今後の私の人生は、猫なしには考えられないだろう。
それでも私がいつか高齢になり、終生飼育が難しくなったときに、猫との生活を諦めるタイミングがきっとくる。
私の棺には今から集めている猫たちのヒゲと乳歯を入れてもらうつもりだ。
先にいってしまった猫たちの毛を少しいただいて後生大事に宝物にし、それも一緒に入れてもらおうと思っている。