夜明けは7時4分らしい。
とっくに日が出ているはずの、まだ薄暗い窓の外を遠巻きに見ながら、ふとんにくるまっておなかをすかせている。すぐそばのベッドでは祖母が寝息をたてている。
おなかがすいたのでたべものの話をする。
「いちばん好きなたべものはなにか」と聞かれたら、「おすし」と答える。
おすしはいつでも、365日24時間いつなんどきでも食べたいくらい大好きだ。
とくにえびアボカドと、はまちが好きだ。エフエフジューヨンのプロフィールには「好きな寿司ネタはえびアボカドです」と書いているが、じつは同じくらいはまちも好きだ。
引っ越して、最寄りの回転ずしがスシローではなくなり、そこでははまちの取り扱いがない。なぜ。悲しい。はまちが食べたい。
一方で、「死ぬまえに食べたいものはなにか」と聞かれたら、「手作りのハンバーグ」と答える。
お店やレトルトや出来合いのハンバーグでは出せない、あの、家の手作りならではの荒いたまねぎと合挽肉の風味が好きだ。
余裕があるときには一口大のハンバーグをどっさり山ほど焼いて、そのなかのいくつかにとろけるチーズを仕込んでおき、ごちゃごちゃに冷凍して、おべんとうのおかずにしていた。チーズインが当たった日はあたりの日なのだ。
あと手作り餃子が好きだ。
うちのレシピはにらを山ほど入れる。にらまんじゅうと言ったほうが正しいくらい。そんな味に幼少から慣れているから、外での餃子に満足できないからだになってしまった。
好きななっとうは「ふわりんやわらかなっとう」だ。
はなかっぱのパッケージが目印である。
もともとなっとうは極小粒が好きで、ふわりんやわらかなっとうも粒が小さく、食べやすい。
住んでいた近くのスーパーで取り扱っていたものの、なぜか一時期から入荷しなくなり、「ふわりんやわらかなっとうでないなら何を食べてもおなじだ……」というテンションでてきとうななっとうを買っていた。恋みたい。
いまは近場のスーパーに取り扱いがあるので、よろこばしいことに恋が叶ったかたちになる。
きょうのあさごはんはおせちの残りものだ。
祖母のつくる茶碗蒸しが好きなのだけれど、卵液がまだまだたくさん残っていたから茶碗蒸しも食べちゃおうかな。
おわり