「残すために生きてる?」
「当たり前。何も残さなきゃ生きてる意味なんて無い。」
「生きた後に残るものって?」
「はあ?散々言って見せて聞かせただろ。おれの行動の全てだよ。音楽も小説も絵も、全部残るだろうが。」
「電子媒体が廃れたらデータは消えるし、物理的なものが残る期間は更に短いよ」
「そんな話はしてない。」
「してたよ。すぐに消えるものを指して残るなんて嘯くなよ」
「人の心を動かすんだよ。」
「その人は百年もせずに死ぬよ」
「上から目線で何様なんだ?お前よりは努力してるから。」
「結果は同じで、何も残らないのに?」
「もういいよ。じゃあ地球が爆発したら全部おしまいだ。」
「その通りだよ、無駄な努力だったね」
「消えてくれ。」
「隣人の真似をしてれば、自分は生きてると錯覚できた?それらしい言葉で偽って、無垢なふりばかり」
「お前よりはマシだから。」
「そうやって上や下を見てばかりで、結局何も考えていない」
「死ね。」
「欲に支配されてずっと人間ごっこばかりだったね」
「死ね。」
「宇宙の果てに届くものができたらいいね」
「死ね。」