お店が終わってゆっくり夜ご飯を食べて、食器を洗っていたら店の前を狐(ホンドギツネ?)が通って行って、一緒に暮らしている人とわーわーびっくりした。
この地域に引っ越してきてから野生動物に会う回数が増えた。
狐は標本をデッサンさせられたことがあって見たらすぐわかるつもりだったけど、生体は全く印象が違って興奮した。
最初は猫だと思って「ねこ通っとるー」とか呑気に言って見ていて、いや猫にしては大きすぎる、でも犬にしては尻尾が長すぎて足が骨張って長い、胴体も細すぎる・・・とか思っていたら一緒に暮らしている人がいや狐!と言ってくれたのでやっと認識が定まった。
自分の生活の外にいる生き物と突然出会うと、脳が混乱する。
動物の中で「狐」という種類に分類されている種があると知らなかったら「昨日ねこのでっかい妖怪みたいな生き物を見た」と他人に言っていたかもしれない。
こういう山と町の間にいる「生活(=常識)のギリギリ外にいる動物」に出会うと、「民話で伝えられている動物譚」を語り始めた人の気持ちを少しだけリアルに感じられて興奮する。
子供の頃によく登山をしていて、熊、猿、鹿、いのしし、たぬき、ハクビシン、雉、あおじか、雷鳥を見たことがあった。
そういった野生動物は自分の中では「民話で出てくる生き物」という認識が前提に強くあるので、むやみに良いものを見たという気になってしまう。
一緒に暮らしている人はもっと山の近くで生まれ育った人だけど、たぶん狐は初めて見たと言っていた。住宅街の方に走って行ったけど、どこに行くんだろう・・・。