お日記

sushi_or_udon
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2024/03/10(sun)

起きて支度をする。今日はわたしの誕生日ケーキを受け取るついでにデートすることになっていた。

半同棲状態になるとデートがレアイベントになり、必然的にめかしこむ機会が減る。自然体でいられる関係は最高だが、たまにおしゃれをするから気分が上がるってもんだ、なあハム太郎。

白のリブニットに、伸びた髪を珍しく内側に巻く。メイクもブラウンを多めに柔らかく仕上げる。できた!清楚お姉さんスタイルである。

基本的にはモテフェミニン路線はしないし、恋人も別に甘めファッションが好きなわけではない。しかし“お姉さん”という概念が好きなのでそれに合わせてみた。

恋人の好みに合わせる、ということはそこまで乗り気じゃないがたまのデートぐらいならサービスしてもいいだろう。もちろん好きな格好も続けていく。

そうやって準備してるのにこの男はギリギリまで起きない。「せっかくのデート…楽しみじゃないのかな…」とかは思わないが「もうちょっと気合い入れんかい!」ぐらいの感想は抱く。

30分前ぐらいにのっそり起きる。髭を剃ってるのを見てあら!ちゃんとする気やん!と嬉しくなる。おれは優しい人間です。

暖かく春の空気を感じる外に出ると最近の薄暗い気持ちが晴れる。晴れ最高。雨最低。

お互いひどい花粉症なのでそこだけがネックである。むかつくぜ〜。鼻水が止まらなかったり、喉がイガイガしながら向かう。

二子玉に到着。まずは腹ごしらえとしてオクシモロンに行く。

思ったより混んでなかったのでちょっと待ってメニューを見ていたらすぐに呼ばれた。彼は看板メニューのエスニックそぼろカリーを、わたしは食べたことなかったチキンカレーを頼む。

スパイシーだけど野菜中心ですっきりとした味だし、箸休めの漬物などバランスがいい。ぱくぱく食べて店を後にした。

そこからはいくつか店を見て回った。

気になってたお店も見れたので満足。

彼にも見たいものがないか聞くと文具屋さんに入っていった。どうやら良いボールペンが欲しいらしいが使用頻度などを考えると尻込みしているようだ。

「誕生日プレゼントこれにする?」と聞いてみる。ああ、それいいかもしれない。と返ってくる。彼の誕生日は6月なのでそこまで離れてないし、予算的にもちょうど良さそう。我ながらいい案だった。

また、彼は文具が好きみたいだ。一緒にノートとかペンとかを色々見漁りつつ、学生時代は何を使ってたとかそういう話を広げる。

そこから駅の向こう側に移動して、蔦屋家電に入る。色んなものがあるんだなあ、と見回す。

すると、有名なシーズニングパウダーの「ほりにし」がポップアップで試食会を行っていた。恋人に「ほら!リロ氏の動画に出てくるやつ!」と教える。あまりにもインターネット会話すぎる。

ホットプレートで焼いてる肉や野菜にバージョンちがいのほりにしをかけて食べさせてもらう。なぜか試食に大阪のブランド牛を使っていたせいで異様に肉が美味かった。

その中でも黒の燻製のやつが一番美味しいね、ということで意見が合致した。一番よく見るやつだがちゃんと理由があるんだな。と思ってたら「俺これ買おうかな」と言う。引っ越しに向けて互いに食料品をどんどん絞っており、彼に至っては先日ついに冷蔵庫を処分した。食生活が細っていくのがつらいらしく、その食生活の底上げとして魅力的だったようだ。彼は絶対筋トレ向けの食生活とかできないんだろうなと思った。他人のことは言えないが。

見事お買い上げ。販促ががっつりブッ刺さっている。生活が合流するころにまだ残っていれば折半したいと思う。

そのまま色々な家電やら本やらを見る。「わたし、この本が気になってるんだよね。」と言うと彼から「え、俺も。」と返ってくる。

欲しい本が被ってこれなことある?と思い、紹介したっけと訊ねると以前より気になってたらしい。これなことがあった。中身をぱらぱら見ると「コラム面白いね、いいな」と言っていた。値段見て思ったより高くないね〜引っ越し後に割り勘で買うか〜など話していた。

他にも食材別に味や香りのチャート・グラフが描かれた本などもあったが、それもわたしが以前から気になっていた本であり、彼もまた見て興味を抱いていた。互いのTi(内向的思考)がビシバシ出ている。

しかもお互い専門書を買うことが多いので、こういった書籍の予算帯には余裕がある。1万超えるかと思ってたね〜と言いながら書籍の価格を見ていく。本の値段を渋らないところがまたいいのだ。

そうやって本を見ていくもう受け取りの時間が近づいていた。本来見たかったZARAHOME(店舗が少ない)を見ていなかった。さっと見て等々力へ向かう。

お察しの通り、誕生日ケーキはASAKO IWAYANAGIのホワイトデー限定ケーキである。前からこれがいいと希望して、彼が予約してくれていたのだ。

わたしの誕生日はまさに3月14日なのだが、今まであまりいいとは思えなかった。母はクリスマスで祖父はバレンタイン生まれ。なんかそっちのほうが派手でキャッチーだ。

挙句ホワイトデーは女性からすればあげたものが返ってくるだけの日なので、誕生日なのに投資分が返ってくるみたいな気持ちになり、あんまりメリットを感じられていなかった。(変わった日に生まれる人の方が少ないとは思うが、親族にキャッチーな誕生日の人が多いので比べてしまう)

でも最近はバレンタイン催事盛り上がりを受けてなのか、余波でホワイトデーのスイーツ展開も活性化されている気配を感じる。

わたしが愛してやまないパティスリー、ASAKO IWAYANAGIもホワイトデーの時期には限定ケーキを出してくれる。もう3年連続で頼んでいる。

また、わたしの誕生日ケーキは25年ほど連続で苺のタルトになる。苺は単体だとそこまで食べるわけじゃないが、ケーキやタルトなどと合わせる果物の中だとダントツで好きだ。

生まれた時期も相まって、必ず親が苺のタルトを買ってきてくれた。逆に栗や芋などが好きな弟は9月生まれで毎年モンブランである。(わたしは栗が食べられないので別でカットのケーキを頼む)

ASAKOも毎回様々種類は変われど苺とタルト生地は共通項なので、結果わたしのこだわりは守られたままである。

店につき、予約を確認してもらう。「こちらでお間違えないですか?」と箱を開けると「Happy Birthday Dear 〇〇chan」と書いている。

これは恋人→わたしの呼び名ではなく、母→わたしの呼び名だ。わたしの名前は3文字なのだが(仮に花子とする)、それを恋人は「花子さん」と呼ぶ。対して母は「はなちゃん!」と呼ぶ。当方数日後に28歳である。

その呼び方を(言い方含めて)恋人はたいそう気に入っており、定期的に物真似している。なお恋人は彼女に会ったことはない。失礼な男である。

それを踏襲した悪ふざけプレートを眼前で見せられると、頼んだのはわたしたちだが顔から火が出そうである。間違いはないので同意してケーキを受け取る。

ケーキが入った紙袋を恋人が高い位置で持って顎を引いて歩く。これは昨年クリスマスケーキ(これもASAKO)を受け取った際にうきうきしすぎて大事に抱えて帰るわたしの物真似だ。

とことん失礼な男である。

大事に大事にケーキを持ち帰ったら1日の疲れがどっと出た。ちょっと休憩…とだらだらしていたらかなりいい時間になっていた。

慌てて恋人が料理に取りかかる。今日はわたしのリクエストでハンバーグを作ってくれる。

恋人が好き好んで見ているシェフのYoutubeチャンネルである。メチャ名店のメチャ有名シェフが退任後に運営してるチャンネルなのだが、なんか言い回しが独特で彼周辺では一定の人気があるらしい。

半同棲の始まりごろに作ってもらったことがあり、あれが食べたくなったので再リクエストした。

美味いのだがきちんと手間も工程もかかるのでかなりいい時間になってしまった。彼の今までも見てるからわかるが、今後、残業後のシェ松尾レシピは控えた方がいいだろう。(食材も家にあるものって感じではないことが多い)(土日にしようね)

右上は大量に余っていた枝豆を消費したくてわたしがポタージュにした。鞘から出すと思ってたより量がなく、同じく使い切る必要がある玉ねぎの味が勝つ結果となった。お腹が空いていたので塩味もちと強い…

まあでもそこそこ美味いな、量飲めないけど。隣の男はこの前作った蕪のポタージュから打って変わってあんま飲んでないけど。彼は彼女のマズメシを「おいしいよ!」と嘘ついて平らげるタイプではないだろう。ゆえに全てが本音なので変に疑わなくていいのが楽なのだが…

わたし(わたしたち)のようなシス女から出る男性への褒め言葉や日常会話は、大概他のシス女性からすると愚痴だと思われてしまうので気をつけねばなるまい。

わたしが愚痴るときは、大体「こういうことがあって〜主観だとこう判断してるんだけど〜客観的に見てどう見えるかとわたしの行動判断への評価が欲しいんだけど〜」と上司にレビューを求めるときのような相談(何回かこういう形で相談している)か、ちゃんと枕詞に「あのゲボボケカスがさ」って言うから(恋人に関して使用回数0)安心してほしい。

そしておまちかねのケーキで〜す!!wow!!

なんてかわいいの………

美しい羽のようなホワイトチョコレートに艶やかなマスカルポーネクリーム、まるとした白苺と層から覗かせるベリーそれぞれの白と赤のグラデーションがあまりに美しい。

恋人には昨年のクリスマスにケーキ、バレンタインにショコラ系の菓子類を食べさせたのだが気に入ってくれた。うれしい。

お菓子が好きな人からすれば横浜から等々力に向かうのも、12cmホールに5000円出すのも特別大変でも高価でもない。

が、あまり慣れてない人だとそれは相当のことであり、忌避する人も少なくないだろう。しかし、それを嫌がらず食べてみれば気に入って以後毎回ニコニコついてきてくれるんだからあまりに愛しい。

バレンタインはせっかくならASAKOのショコラの美味さを知って欲しい!という邪な思いも込みでプレゼントのつもりが、一緒に「俺これ買うから両方半分こしよ〜」とわたしが彼に購入したものと同額程度のキャラメルサンドをさらっと買って、しかも自分が貰ったプレゼントまで分配しようとしてる…雷に打たれたような衝撃を受けてより好きになってしまった。(それを言われるまで「自分用にも買いたくなったんかな🎶」と思ってた自己中心的かつ強欲な女より)

彼の誕生日は何がいいんだろう。美味しいパティスリーはいっぱいあるので他のところでもいいと思うが、我が家の定番としてのASAKOになってもいい。お互いにあげてもらってが一番いいだろうな。そういう関係になれるよう精進したいと思う27歳終盤だった。