2024/03/06(wed)
朝、どうにも起きれぬ。寒がりでも朝に弱いわけでもないのだが、最近は疲れとストレスとでいっぱいいっぱいになっている。昔からこういうとき、逃避行動として過眠・過食・抜毛をしてしまうのだが…その全てが出ている。夜はすぐ眠くなって朝は起きれず、職場で余計な間食ばかりして、頭のてっぺんからアホ毛がぴょこぴょこと跳ねている。
同棲前からこの調子ではどうにも不安だ。いや、逆で不安だからこそこうなっている。朝にどうにも涙が止まらなかったり、落ち込んで寝込むこともある。仕事のストレスもある。つまり頭の中がぐちゃぐちゃなのだ。
マリッジブルーとかもこういう感じなのかな。環境の変化や今の生活の維持が交じり合ってぐるぐる、謎の焦燥感、不安。そこに「考えすぎないようにね!」なんて言葉は無意味だ。大丈夫じゃない人に大丈夫?なんて言うのは自己満だ。どうにかしてくれよ。この不安を。
弁当を作る時間がない。来週用に買ってた冷食のパスタをむんずと掴んで外に出る。
雨は止んでるはずだったが実際は霧雨だった。細かく冷たい飛沫が体力もメンタルも削っていく。心なしか具合が悪くなってくる。
仕事のことはわざわざ語らない。プライベートに仕事の愚痴だのなんだの言いたくないからだ。強いて一つ言うなら昼休みに人を呼ぶな。
昼にTwitterを見る。dancyuの最新刊が「ミニマル料理特集」とのこと。
表紙にでん!!と稲田氏のミニマル麻婆豆腐が載る。
慌てて恋人に連絡する。今日わたしが買ってきて2人で折半することにした。同棲するにあたって初めての共有物がdancyuになった。(ちなみにちょうど稲田さんの昨日茄子の醤油煮を作ったらしい)(あれはうまい)
午後仕事をしてると別部署の上司かららしいクッキーが配られる。正確にはご親族からでなんか家族がどうこうあーだのこーだの…すでに社内全体には噂が伝播しており、上司には何の非もなく巻き込み事故みたいなもんだが、それはそれとしてだなと思った。
この話は社内に知れ渡る前に実は個人的に聞いていたのだが、その際言われた「うちの会社の人は口に戸を立てられないからね。」という言葉がリフレインする。それはわたしに恋人がいて同棲予定である話をしたことに対するレスポンスだったが、当の本人がこんなにもその通りになるとはね…
同じく言っていた「めでたい引っ越しはいいですよ。みんな聞いてていい気分になるじゃないですか。めでたくない引っ越しだからねうちは。」これもまあ鋭い切れ味だった。
クッキーの裏面を見ると、お、ステラおばさんだ。久しぶりに食べる。1枚取ると総務の方から「いいんですか1枚で…!?」と言われてしまった。職場で食いしん坊の名を欲しいがままにしている。
退勤して、帰宅途中にある駅の丸善に寄る。目的はもちろんdancyu…と昨日言っていた例の本である。
この本はタイトルの通り、双方のキャリアを叶えていきたいカップルが如何にして実現させていくのかを書き記した本である。
調査対象者は26歳から63歳まで・32ヵ国(うち日本も含む)113組のカップル・事実婚や同姓カップルも含むあらゆるカップルとなり、結果的にわかった「3つの転換期」とそのロードマップについて本著では解説されている。
恋人と交際して数ヶ月後に知り、お互いのスタンス含めて参考になりそうでいいな、と思っていたのだが、最近思ってた本と少しちがうと知った。
どうやらこの本はHowTo本ではなく道標で、この本に記されたフラッグや先人たちの話を参考に「じゃあうちも対話しますかね…」という本らしい。
出版社がnote一部サンプル文や書評を公開している。
「カップル間のキャリアや幸福はゼロサム(1つのパイをどう分配するか)ではなくポジティブサム(相互的に作用しより大きなパイになる)である」という考え方と「効率や方法ばかりを考えるのではなく、互いの価値観やアイデンティティや幸福がどこにあるかをすり合わせることが大事」という考え方が主軸にあるらしく、今までの自分の考え方やHowToとちがうんだなと思った。
友人夫婦は互いの収入を知らないらしい。食事も気が向いたら一緒という感じで自分たちのことを「ルームシェアぐらいの他人感」と評していた。
わたしの周りはこういった互いに自立してるので干渉しない個人主義的な人か、家族や夫婦としての形(社会における旧来的価値観)に大なり小なり影響され相手にパイを分け与えては(分け与えなくてはいけないと思い)怒ってる人の二択だ。
そうすると自分は前者的な価値観だろうと思っていたが、先程の友人の考え方を聞くと「自分はそうじゃないかもな」とはっとした。
かと言って後者は向いてない。(地元柄か家族のせいか多少影響されてて嫌になる部分はある)
わたしは二人三脚がいいんだな、と気づいた。ふたりで走るには一緒に走れる程度の個人の筋力と体力、ペースと方向を合わせるための相互理解が必要になる。
手の振り方とか姿勢とかそういう手段ではなく、もっと根源的に相手のことを知り、お互い高め合う関係ではなくてはいけない。
ひとりで立てないのは嫌だけど、ふたりでいたらもっと強いになりたい。
たまに彼に対して「おれのキャリアに興味ないのか!?」「どうせ期待してないんだわたしに…」と不満と落ち込みを抱くのだが、これは彼自身が互いに独走だと思ってるからかもしれない。
でも実際はどっちかが転んで立ち止まるかもしれないし、同じ方向だと思ったら道を違えるかもしれない。
お互いのアイデンティティと幸福を知り、少しずつ相互理解したいと思った。この本を読んでみることにした。
家に帰って夕食を食べていると恋人から連絡が入る。今週は心身ともに調子がよくないらしい。
天気やら仕事やらはあるんだろうけど、もしかして君も同じなのか?と思った。「明日通話する?」と聞くと「お願いしたい」と返ってくる。
わたしはすぐ自分で勝手に我慢してセーブして不安と寂しさに襲われて「あっちは平気なんだ」「自分だけこうで不平等だ」と大暴れしてしまうのだけれど、彼も同じように状況を見てセーブしてはあとで自分の感情が発生してるのかもなと思った。
過去の経験のせいで自己価値をすぐ低く見積もってしまうのがよくない。迷惑だろうと思ってしまうがもう少し相互ケアとしての会話があってもいいよなと思った。最近事務連絡ばっかだし。
お互い他者と交際していない期間が長い。共存1年生。少しずつ学んでいきたい。