お日記-家族になっていく年

sushi_or_udon
·
公開:2024/12/31

恋人の実家に伺った際、駄菓子屋に寄って占いチョコを買った。

「まずはけんこうやな」とか言いながら順繰りに開けては食べて、開けては食べて、すると「なやみごと」の部分に目がいった。

「なやみごと」、を考えて真っ先に出てきたのは「税金が高すぎる」だった。そのとき、半径10m以内の悩みがほぼ無くなっていることに気づいた。

2024年は恋人と家族になっていく年だった。「4,5月ぐらいから同棲したいね」と言いながら昨年より物件をゆるゆると見ていたとき、1月の終わりに急にきらめく物件と出会った。

そこは分譲マンションだが、オーナーの都合で数年他人に貸したいという旨の物件で、条件に対してかなり破格の家賃だった。また、恋人の繁忙期の関係上、1,2月の引越しは難しかったが、3月ならギリギリ頑張れそうだったのも大きい。

内見に行くと広くて日当たりが良くてキッチンが大きかった。予定外だが急遽ここを契約することにした。

それからはひいひい言いながら引っ越しをして、新生活が始まった。生活スタイルを合わせていくとか、早々コロナになって2人で体調を崩すとか、議論して喧嘩してとか、他人と同居する難点はあれど、多分かなりスムーズにぶつかり合ったと思う。

5月ぐらいに結婚することが決まった。元々、結婚(というか生涯のパートナーになる)前提で交際していたのでいつするかという話だけだったのだが、時期は来年の7月17日になったのだ。

それからお互いの実家に報告したり挨拶に行ったりした。わたしの祖父は2年前に祖母が亡くなってからずっと死にたくてしょうがなかったのだが、結婚の報告をしたらえらい喜んでくれた。

わたしは祖父のために結婚する気はさらさらなかったが、せっかく結婚するなら言った方が得だなと思った。これでもっともっと永く生きてくれればと思った。でも間に合わなかった。9月29日に亡くなった。

恋人を連れていくのはちょうど2週間後の10月13日だった。

だから、年末に彼の実家がある岐阜に訪問し、祖父と同い年である彼の祖母にお会いできたのはすごく嬉しかった。

同い年の86歳だけど生活もままなってるし、年相応のネガティブさはあるもののチャーミングな人だった。わたしが来るのを指折り数えていたらしく、こんな年だがお年玉まで貰ってしまった。

「もう孫だと思われてるよ」と彼に言われて嬉しくなった。帰り際に3ショットを撮ったのだが額に飾っておくとのことだった。それとお見送りのときにわたしが撮った写真をばたくん母が印刷して渡してくれたらしい。

また、今では交際期間の半分以上がばたくんと暮らした日々になったのも嬉しい。

どう?この生活は、と聞くと「もう最高だね」と彼は毎回答える。1人が好きなばたくんが、わたしと一緒に寝て、一緒にお風呂に入って、一緒にご飯を食べて、一緒に暮らす日々を愛していることが驚きだし愛しい。

夜すぐ眠くなって寝ちゃったわたしをベッドに連れてって済んでない家事をばたくんが片してくれる。朝起きれないばたくんがベッドで眠りこけてる間にわたしが朝食を作って彼を起こす。

醤油やお味噌がびしっと決まった味が好きなばたくん、砂糖や味醂をすぐ入れるわたし。

わたしが面倒だと思うような手間のかかる一品料理を、料理本見ながらばたくんが頑張って作ってくれて「お店みたいな味だ〜」と言いながら食べている。

複数品作れないばたくんが残業のときは、お野菜たっぷりの和食メニューにして小鉢や汁物をちょこちょこと添えると「天才?」と言いながら抱きしめてくれる。

悲しい日々がなくなっていく。喧嘩したりホルモンバランスで落ち込んじゃうこともあるけど、自分は今幸せなのだとはっきり分かる。

ばたくんに対して諦めてるところがない。お互いダメダメね〜と言い合ってる部分はあるが、もやもやを持ち越すようなことはほぼなくて、1人の人間として信頼を増しながら暮らしている。

ばたくん一家もわたしをすごく歓迎してくれてて、ばたくん母とはよく楽しくLINEしている。多分すごく恵まれている。

今まで家族じゃなかった人と家族になっていく日々は、水の中に慣れていくような気分で、だいぶ気分がいい。

来年は本当に家族になる。血のつながりだけじゃない家族になれることが嬉しい。いい1年だったからきっと来年もいい1年だと思う。