白ブリーフからトランクスへ

sushiyama
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中1の頃、白ブリーフからトランクスへ移行を完了した。

入学当初は、体育の授業で着替えるとき、9割は白ブリーフだったが、夏休みを超えたあたりには、白ブリーフとトランクスの割合はフィフティフィフティに達していた。これはマズいと思い、翌日トランクスを買うことにした。

しかしいくら身内とはいえ、母親に「トランクス買って」と言い出すことができなかった。この辺が年頃の男の子の実にいじらしい部分ではある。

とりあえず1人でコンビニで買う覚悟を決め、誰もクラスメイトと会わなそうなコンビニに狙いを定め、チャリを走らせ、愕然とした。なんとトランクス1枚580円もするのだ、1ヶ月のお小遣いの実に6割が下着に持って行かれてしまう。もちろん母親と買い物に行っていたら、お小遣いから支払う必要もないのだが、いじらしさの代償はおそろしい。しかし一日でも何かに乗り遅れると、二度と取り返しがつかないのが子供の世界、今日トランクスを買わなければ、明日にはクラスの全員がトランクスになってるかもしれない、そうなってしまったら最後なのだ。

そしてもう一つ問題が発生した。そう、サイズがわからないのだ。今まで1人で下着を買ったことも服を買ったことも無かった。S、M、Lの表記でどれが自分に合うサイズなのかがわからない。当時は携帯電話も持っていないから調べようもない。1時間は悩み、大は小を兼ねるだろうということで、Lサイズを購入して急いで家に立ち漕ぎで帰った。トランクス!トランクス!!と結構叫びながら。

そして家に到着し、早速トランクスを履いた。めちゃくちゃブカブカだった。上がっていたテンションは急降下し、怒りが込み上げてくる。しかし何に向かってキレたらいいかわからず、ケロッピーの財布を叩きつけた。ごめんねケロッピー。そのトランクスをどうしていいかわからなかったが、お父さんの下着入れからトランクスを引っ張り出して重ねると、サイズがピッタリだったので、綺麗に畳んで下着入れにそっと逃した。早いけど誕生日プレゼントということにして折り合いをつけた。叩きつけられたケロッピーは表情を変えずにずっとこちらを微笑んでいた。