お久しぶりです。突然ですが、僕は「unsnuff」という名義で一人で音楽活動をしています。「アンスナッフ」と読みます。アコースティックギターをその場で録音してループさせながら弾き語りをする……みたいな音楽をやっています。
↑これは新曲のミュージックビデオです。10年ぶりとなるミニアルバムのリリースが決定し、先日サブスクで先行配信を開始しました。
ミニアルバムのCDは11月16日(日)に開催される自主企画ライブイベントから発売開始となります。会場は埼玉県の大宮市・宮原にある「ヒソミネ」というライブハウスです。

ライブのチケットはこちらのフォームから取り置き予約ができます。また、各種SNSで情報発信をしていますので、今後も気にかけてやってもいいという方はチェックいただけるととっても嬉しいです。
突然の宣伝、失礼しました。この「数奇」という人格では自分がやっている音楽については話さないつもりだったのですが、今回は特別な機会ということで、宣伝させていただきました。
なぜ話さないつもりだったかというと、もともとこの「数奇」という人格は音楽活動からの逃げ場として生み出したものだったからです。
僕は2011年に上京してきてからずっと一人で音楽活動をしているのですが、先ほど「10年ぶりにミニアルバムを出す」と述べたように、しばらく音楽から離れていました。
音楽から離れ始めたのは2019年ごろで、音楽活動が嫌になったというよりは人生そのものに悩んでいた時期でした。音楽を頑張っている仲間たちの投稿を見ることすら嫌になるほど病んでしまい、全く知り合いがいない「サブ垢」としてTwitter(現X)に作ったのがこの「数奇」というアカウントです。アカウント名に深い意味は全くなく、僕の名前が「かずき」なのでそういう風にも読める「数奇」にしました。なんとなく漢字2文字のアカウント名っていいな、と思っていたのもあります。
当時の僕は精神を病んで毎晩眠れない日々を過ごしていたので、はじめはユーザーIDを「nemurenai_yone」にして、「寝れない」「眠れない」とツイートしている人を検索し、ちょっと気が合いそうな人をフォローするということをしていました。そのときにフォローして今も繋がっている人もいます。僕も他愛もない生活の些細なこととかを真夜中に呟いていました。
そうやってちょっとずつフォローの輪を広げていくうちに、「そういえば自分はぬいぐるみとか読書とかが好きだったんだなあ」という気持ちが蘇ってきました。生きること、音楽をやることに躍起になるうちに、自分が好きなものを忘れかけていたことに気づきました。
このサブ垢について「人格」という言葉を使いましたが、「数奇」を生み出すまでの自分はピエロになっていたと思っています。身勝手で自己愛が強すぎるせいでかえって人の顔色を窺い気に入られようとする自分でした。まっさらな状態の「数奇」というアカウントを生み出すことで見失いかけていた自分を取り戻すことができ、精神的な窮地からも脱したと本当に思っています。
精神を病み始めたころの自分は「音楽で成功したい!」という気持ちだけが先行してしまっていて、無理に音楽をやっていたところがあります。音楽がやりたくて上京してきて正社員にもならずやってきたので、もう結果を出さなくてはいけないという焦りがありました。でも「数奇」が生まれてからは、無理してやらなくてもいいんだなあと思うことができ、それからしばらく音楽は「やりたくなったらやろう」という気持ちで、前向きな離れ方をしました。今では安定したお仕事にも就いて、ありがたいことにあまりストレスのない生活ができています。
音楽活動を再開するきっかけは、古くからの音楽仲間である親友から2年前にライブ出演の依頼をもらったことです。その友人はもちろん僕が音楽から離れていることを知っていて、それでももう一度ライブをしてほしいと言ってくれたので、その気持ちが嬉しくて、出演しました。それから「せっかく音源化していない曲もあるし、アルバム作ろうかな」と2年かけて作ったのが、冒頭で紹介したやつです。
今回こうして宣伝させてもらったのは、別人格として生み出した「数奇」と、あのとき自分を見失っていた「unsnuff」が、どちらも一人の「自分」として感じられるようになったからです。
これからもたま~に宣伝させてもらうことがあるかもしれませんが、「なんか頑張ってるなあ」くらいの気持ちで見守っていただけたら幸いです。
でもこの「数奇」というアカウントのことを結構気に入っているので、「数奇」名義でも音楽を作りたいんだよなあ……ということはちょっと妄想しています。unsnuffはライブパフォーマンスありきの音楽なので、それとは別に宅録メインの音楽としてまた違う作品を作ろうかな……とよく考えるのですが、果たして実現するのやら。それもまた、無理せずのんびりやりたいと思います。