無題

日々
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公開:2024/7/12

7/6の日記。


先週、先々週と立て込んでいたので、ひさびさにぼんやりできる休日。昨日は晩御飯を食べてそのまま倒れるようにねむった。ので、朝からフレンチトーストを作って食べて、のんびり風呂に入り、本を読んで、買い物をしてきた。これから病院にいかねばならないが、そうじゃなければ昼寝がしたかったな。

薬局でサプリを買おうとして、買いたいものだけ値札がどこか行ってしまっていたのだけれど、並んでいる他のものとそう変わらないだろうと思ってレジに向かったら、想像した三倍くらいの値段でびびった。とはいえやっぱやめますとも言いがたくそのままお買い上げ帰ってきたのだけれど、会計金額見てほんとにびっくりしてしまった。

もっとたくさんのコンテンツに触れたい。のだけれど小説を書いているとできない。しばらくネットフリックスを開いていない。もったいない……。この原稿が終わったら見たい、と言いながら原稿が終わらないよ。のんびりしすぎだー。

皿洗いだけ済ませて病院いく。残りは帰りに書こうかな〜。


などと言っていたのだけれど、検査後に鎮静剤が効きすぎて自力で帰れなくなってしまい、両親に迎えにきてもらうこととなった。病院を閉める時間だったのか、ふらふらのまま追い出されたことに母がとても怒っていて、怒っている人のそばにいるととても疲れるんだということを思い出してしまった。鎮静剤を打ったのは初めてだったんだけど、あんなにふにゃふにゃになるんだな〜と思った。検査後に結果の説明を聞いたけれども、あんまりちゃんと覚えていなくて、疑問に果てがないので明日また病院に行く。母同伴になったが、母には症状を少し誤魔化して伝えているので気が重い。母に健康の不安を訴えるとたいてい食生活や運動で改善しなさいと言ってくるから、努力が足りないように思われてつらい。だから黙って病院に通っていたのに、最悪。

6日は自宅に帰ることができず、実家に泊まって、母の寝ている部屋に布団を敷いて眠った。夜のかなり早くから就寝していたから5時ごろに目を覚ましたのだけれど、瞼を開いたら暗闇の中から母がこちらをじっと見ていてめちゃくちゃびっくりした。もともと身体距離の近い親子だからそのまま布団に入ってきていろいろと話していたのだけれど、母はどうやら自身と自身の母との間の関係をかなり整理できるようになってきたのだと思う。

わたしや兄を育てていたとき、もっとしてあげられたらよかった、と思うことがあると母は言った。でも、自分のことに精一杯だったから全然してあげられなかった、とも。この人もずいぶん変わったなと思いながら、「そっか〜」と背中を撫でてあげたら、「どうしてお母さんは悪くないよって言ってくれないの!(あなたの)お兄ちゃんは言ってくれるのに!」と言い始めて、そういうところは変わらないんだな……と思った。「大変だったね」と言いながらまた背中を撫でていたけれども、母は「じゃあ産んでくれて良かったとか、育ててくれてありがとうとかないの」と尋ねるので「うーん」と誤魔化して、「じゃあ今幸せじゃないってこと?私は最近すごく思う、生きててよかった、育ててくれてありがとうって」って畳み掛けられた。そのすべてに是とも非ともつかない相槌を打って、「この人が自分の人生の清算をしかかっているからといって、わたしがこの人の肩の荷を降ろすための道具になる必要はないし、わたしがこの人のことを許す必要もない」というようなことを考えていた。それ以外になにを話したんだろうか。忘れてしまった。

実家には畳があったのだけれど、いつだったかフローリングに変わった。わたしは畳が好きだったのだが、ずいぶん劣化していたらしく畳に張り替えるよりは、と今では杉の板材が張られた部屋になった。夏は冷たくて気持ちいいけれど、わたしはいぐさの香りが好きだった。ぼろぼろになった草の繊維がくつしたにひっつこうとも。わたしは畳のままがいいとごねたけれども聞き入れられず工事は行われた。あれはいつ頃のことだったんだろう。中学生くらいだったのかな。そういうことは覚えている。

後から思えば、わたしはもうあの人に引きずられて、言って欲しそうなことを言ってあげることはないし、言ってあげることはできないということを象徴するような時間だったと思う。わたしはわたしの人生を生きる権利がある。兄はまだ母の人生に巻き込まれていると思うが、わたしは兄になにをしてあげられるのだろう。とりあえずどこかしら、精神科ないしは心療内科にかかるといいとは言ったけれども。兄が外に出たがらないのなら母がカウンセリングとか受けてみてもなにか変わるかもしれないけど、その変化はかならずわたしにも波及してくるだろうと思うと良い選択と思えるかどうかわからない。わたしたちは別の人間として今後生きてゆかねばならないということが、どうすれば母に届くのだろう。

7日の昼まで滞在して帰った。会社で割引で変えたという高い素麺を食べさせてもらった。おいしかった。おいしいと思う気持ちは変わらないということが不思議で苦しい。

@suzu_sn
息継ぎをする