無題

日々
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晩御飯を食べたあと恐ろしいくらいの眠気に襲われてベッドに吸い込まれ、気が付けば二時間半が経過していた。時間の浪費に毎度新鮮に驚いている。

今日は葬送のフリーレンのアニメを見ていた。Twitterでフリーレンはアロマンティックなのではないかという感想を見かけて、それなら見た方がいいなと思って見始めた。しばらく前からちまちまと見ていて、今日で最新に追いつくことができた。

確かに恋愛感情については聞いていた通りで、恋愛を強要することのないヒンメルたちとの旅の描き方はとっても良かった。それだけではなく、人がなぜ宗教を持つのかというのも一期の後半で明確にテーマとして描かれていて、それもとても響くものがあった。アニメに合わせて公開されていた漫画原作を読んだが、わたしにはおそらくアニメの方が合っている気がするというか、現在の雰囲気を音やセリフに落とし込むのがとても上手いんだと思う。これが少年漫画誌に載っているというのはすごいことだなー……。

しかし世の大多数の人間は恋愛感情を持たない人間がいることを理解していないんだろうと思うと、フリーレンとヒンメルをわかりやすい恋愛関係のテンプレートを通じてしか見られないのはもったいないし腹が立つなと思う。フリーレンは確かにヒンメルとの出会いで変わった部分が多くあるわけだが、人は恋愛感情だけで動くわけでも、それが一番大事な感情でもないのだろうにな。

フリーレンとヒンメルの関係はいいのだが、後半で多く描かれていたハイターとの関係もとても好きだなと思う。ハイターは僧侶のくせに酒を飲むけれども、人間としてとてもできた人だと思った。「私の子供は魔法使いかもしれませんよ」と言ったときから、養子を取ることを考えていたのだろうか。

前半での「天国はあった方が都合が良い」という描き方から、後半のクラフトとの出会い以後の人がどうして宗教を持つのか、神を信じるのかというところまではっきり踏み込んでいくとは思わなかったが、それがこれまで描かれてきたハイターというキャラクターとの間に乖離がなくて良いと思う。この世界の僧侶にとっては酒を飲むのは禁じられたことなのかもしれないけれど、ハイターにとっての信心の中心はそこにはなくて、彼はもっと深いところで自分の中での女神様の位置付けを考えているのだろうなと思う。禁酒や生涯独身は信心を表すための手段に過ぎず、手段というのは本当に人それぞれなのかもしれない。

@suzu_sn
息継ぎをする