最近は日記を毎日のノルマにしなくても息ができている感じがする。ずっと書いていたから、自分の言葉で話すことがむずかしくなくなってきた。歯車に油を差すみたいだなあ、と、期間を空けて書いているとよく思う。無理やり、ぎしぎし音を立てて回っていたものがすこしずつ滑らかになっていく感覚はおもしろい。歯車がぎしぎし言うのかは知らないが。
原稿が終わったので、今日はのんびり漫画を読んでいた。正直めちゃくちゃ眠いのだけれど、明日は朝から予定があるので絶対に風呂に入って寝る。やっぱり平日もどうにかして物語に触れる時間を作った方がいい、仕事から帰って晩御飯を食べて寝るだけなんて味気なさすぎる。
今日は『よるべない花たちよ』を読んでいた。わたしが母に抱いていたような居心地の悪さのようなものが、あまりにも的確に描かれていて苦しかった。わたしは「普通の」「幸せな」家族像に共感できないから、母親のことを嫌いだと思いながら、憎みきれずにいる四姉妹の心境に自分を重ねてしまう。一般に共有されるような家族像に憧れがあって、でも、ぼたんちゃんたちが抱いていたような家族に対してのあいまいでコントロールしきれない感情がいちばんわたしにとってはよく知っているもので安心してしまう。安心してしまうことが、嫌になる。
居心地の悪さ、というか、感情の種類を決められないことの不安定さなのかもしれない。嫌いだった、でも戻るとしたらここだった、それから血縁の幸せを願うこと、そういうのが、矛盾しているように見えるかもしれないけど全部自分の持っている、ひとつの関係性についての感情で、それを言い表すにはたくさんの言葉が必要になってしまう。お母さん本人の登場シーンはあまり多くはなかったから、そこまで苦しくならずに読めて良かったと思った。
前のカウンセリングで同居人がほしいという話をしたけれど、わたしが欲しいのはもっと強い関係なんだと思う。ずっと続く絆の確証がほしくて、でもそれを保証してくれるような関係性は実はこの世のどこにもないんだな。わかってても直面するたびにはっとする。わたしは、このままひとりだったらどうしよう。
「大丈夫だよ、消えないから安心しな」って言葉、ずっとぼたんちゃんの中に残っているんだなというの、すごく良かったな。好きなラストだった。
読み返しつつ書いていたら一時間経っていた。風呂に入らないと。