ジャンルを移動するのはいつも寂しい。すこし浮気するだけのつもりで書き始めて、思ったより腰を据えられてしまったとき、前のジャンルにそこまでの熱をもう持っていなかったんだと気付いてしまう瞬間が辛い。しがみつくように書いていたってしょうがないんじゃないかと思う。
同じ作品に何年も居続けられる人は本当にすごいと思う。わたしの最初の熱が持つのは半年くらいなんじゃないだろうか。二年もすると惰性になっていってしまっているような気がする。その二年だって別にたくさん書くわけじゃない。書きたいと思っても体力気力がそれを許さない。創作欲を押し流すように生活が、仕事が、人生があって、そちらをこなさなくては社会に生きていられない。そして、そちらをこなしていると小説を書く余力が残らないのだ。
朝起きて、洗濯を回して、クレープを焼き、今週の作り置きを作った。これから皿を洗って日用品を買いに薬局に行って、映画を見にいく。完璧な休日。でも、その半日を書くことに当てられたらいいのにと思う。できないのは、生活のせいだけじゃなくて、向き合ってたって結局書けない。わたしは何がしたくて、なんのために書いているのだろう?路頭に迷っている。楽しいのと寂しいのが全部あって、全然ずっとつらいな。褒めてほしいし認めてほしいけど、わたしは自分を許せない。こんなにも大丈夫って言葉がほしいのに、それを受け取ることを自分に許せないから、このまま朽ちて死ぬしかないのだろうか。