真暗な世界で一筋の光明が、蜘蛛の糸のように細く長く私のもとへとたどり着いた。 これはなあにと問う相手もなく、これが希望と信じる術もなく。けれどこれが私を食らう罠であると疑うには美しい光だったし、なにより私にはそれを判じるだけの知識など備わっていなかった。 一筋の光明の正体を、私は未だに知り得ない。 ただ、あれは美しいだけの……それだけの、誘蛾灯のようなものなのだろう。 勝手に言祝がれている気になって、奥へ奥へと進んでしまった私は、もう戻る道さえわからない。 SSsuzune