Flow

すずお
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公開:2025/3/22

Flowを、みたよ〜〜〜ん!!!!!自分が思ったことが薄れないうちに感想を…。

最初私がこの映画を見つけたきっかけ、Twitterのおすすめタブにでてきたからである。たまには役に立つじゃん。もちろんキャラクターに線画がついてセリフのあるオーソドックスなアニメも好きなのだが、主線なしで少しイラスト的なスタイルの、セリフのないアニメも大好きなので絶対見に行こうときめていた。それにこういう外国産のアニメーションが大きなスクリーンで見られる機会はあまりないので、アカデミー賞で賞を取ったことに乗じて普段より少し長めに上映しててくれないかな〜とも思っていた。

そして無事本編を見ることができ…本当によかった…。

セリフもなく動物たちの表情や動きはデフォルメ少なめなのだが、それでも彼らが何を思っているのかはジェスチャーですぐわかる。それぞれの動物に性格があり、一つの船の中で一緒に旅する仲間としてそれぞれキャラが立っていたのが可愛かった。敵が出てくるわけでもなく本当に流れるままに旅をする話の内容に対して、王道的な主要動物たちの性格や関係性がが旅の道中の退屈になりそうな部分を打ち消していてくれたように思う。

セリフがないのでハプニングや何かの転機の予兆は他の動物の仕草や自然現象によって情景描写されるのだが、詩的かつわかりやすくてこの映画がアニメであることを最大限生かしていていいなと思った。鹿の悪夢のとことか本当に怖かったし。

Flowの中で自然は生きる希望にも、滅ぼされる絶望にもなっていて、自然信仰というか命は常に自然と共にあると言うような思想を感じた。またそれに次いで、群れを追い出されたワシが仲間に加わったり、群れから外れて船の仲間をとる選択をする犬の描写から「この厳しい現実をみんなで生き延びるためには、種族を超えてみんなで助け合うことが必要」といったようなメッセージもあったように思う。

昨今の世界情勢や環境状況を考えると、この映画の中で起きていた気候変動の話も逸れものの動物たちの存在も他人事ではない訳で……。本当はごく当たり前のことを、映画を通じてまた再確認されられたなぁという気分。

絵もとっても美しくて、幻想的で、あれが無料のCGソフトで作られたって言うんだから驚きだ。いい絵作りに道具の価値は必ずしも比例しないのだなあ…。

総括すると、めちゃくちゃ良かった。私の推しはカピバラです。

ちなみに軽く検索したところ「ジブリのような〜」みたいに紹介してるサイトもあるようだけど、そういうサイトは自然が豊かで緑が綺麗に描写されてるアニメ全部にジブリみたいなってつけるタイプだと思うから信じないで欲しい。(シンプル悪口)Flowはジブリの作風とは話も絵もつくりが全然違うと思う。