書き終わらない話

早瀬
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今これと並行して140文字SSを書いている。書き出しの50字で書きたかったことが書けてしまって、残り90字どうしようと思いながらこれを書いている。

診断メーカーからお題をもらって書くのを断続的に続けて5年になる。私がやっているのは二次創作で、始めたばかりの頃は二日に一度くらいのペースで書いたものをツイッターにアップしていた。どうしてそんなにコンスタントに書けていたのか今になってはまったくわからない。たぶん、そのとき好きだったゲームに触れたばかりで、頭がよく働いていたんだと思う。はまりたてだと言いたいこととか思いつくことが色々あるから、お題から連想して紐づけられるエピソードが多かったんだろう。せいぜい1か月に一回、やろうという気になるかならないかが現在の精一杯だ。やる気になるだけ褒めてやってもいいかもしれない(書かない時期は全然書かないので、いざ本出すぞ、ウェブオンリーの原稿やるぞとなったとき書き方から思いださないといけなくなるから)。

140文字に収めようとすると大したスパンの話は書けないので、必然的に短い間に交わした会話とか題材にしたキャラクターの概念的な話とか日常の隙間のイベントをやっていくことになる。短い文章の中で同じ単語が繰り返されると、普通の文章以上に読んでいて引っかかりを覚えるので言い回しも工夫しなければならない。この作業で語彙が増えていて然るべきなんじゃないかと書いていて思ったが、その実感はない。なんならついこの間「語彙増やしたい」とMisskeyでノートした記憶がある。「これは書かなくても(読む人にキャラクターの要素としての共通認識があるから)伝わるな」みたいな、取捨選択をして描写をコンパクトにまとめるのは多少できるようになった気がする。これが普段の原稿に生きているのかは微妙なところだ。読みかけの短歌入門書の中に、「自明のことはわざわざ(歌の中に)入れない」「歌にしたい対象から離れる/同化する」というようなことが書かれていて、私が140文字SSを書くときにやってることってこれに近いのかもしれないなと思った。

140文字が完成しない。書き出しと同じテンポで二文書いたら終わる量なのに、着地点が行方不明なおかげで続きの方向をどこに振ればいいのか分からない。2時までに書きあがるだろうか。