ほとんど全ての配信を追っていたVTuberが引退してから1年半が経った。
料理を作りながら、お風呂に入りながら、ラジオのように配信を聴くことが日常の一部になっていたが、いなくなってしまってからも普通に生活は続く。
最後の配信で、その人(性別というものを持たなかったのでこう呼ぶことにする)が遺した言葉をよく覚えている。
「みんなどんどん変わっていくんだと思います。でも変わっていくことは決して悪いことじゃないと思うんです。」
本当に瞬く間に、あらゆるものが変化し、通り過ぎていく。あまりに目まぐるしくて、何も捉えられないような気さえする。
きっと、変わっていくということそのものに良いとか悪いとか言うことに意味はないんだろう。全てはただ移り変わっていく。残るのはそれをどう解釈するかという問題だけだ。
だからこそ、決して悪いことじゃないと言って旅立っていった、その時のことを今になってもたまに思い出す。