10年続くプロダクトもあれば、1年経たずに終わるプロダクトもあり、IT業界は相変わらず戦国時代が続いているなと感じる今日この頃。
プロダクトの終わりに立ち会うことは稀かもしれませんが、長く働いていると一度くらいは遭遇するかもしれません。私自身も幾度かサービスのクローズに遭遇したことがありますが、今まで書いたコード・あれこれ議論して決めた仕様・利用してくれていたユーザー、様々なものが無に帰す瞬間は悲しいものです。
今後も再び相見える終わりの瞬間に向けて、どういった心構えをすればいいのか考えてみる。
チームで培ったものは全てが無にはならない
チームとして活動したのがどのくらいの長さか?にも依るかもしれませんが、チーム自体が培ったものがあるはずです。
スクラムをやっている場合、スクラムチームとしての練度だったり、メンバー同士の関係性だったり、チーム全体の文化だったり色々あるでしょう。
チームという単位で見ると確かに消えてしまうものもありますが、多くは次のチームでも活かせるものが多いと思います。
一つとして、タックマンモデル(Tuckman's stages of group development)というものがあります。これはチームの結成から発展までを四段階で表しており、それぞれの段階での課題や目的について定義しているモデルです。
後年、チームの最後の段階である解散についてが五段階目として追加されており、ここではチームリーダー・メンバーはこのチームで何が上手くいったのか?を振り返り、自分の中でのベストプラクティスとしてまとめる必要があります。
こうして、次に従事するプロダクトにも新しい目線でのプラクティスを提供することが求められ、新しいチームにとってもより良いチームに進化するキッカケになるわけです。
何故、プロダクトが終わってしまったのかをハラオチさせる
開発者であれば「ビジネス側に言われた通りに作ったのにダメだった。ビジネス側の責任だ!」と、もしかしたら考えてしまうことがあるかもしれません。
ただ、本当にそうでしょうか?一人の開発者として本当に出来ることはなかったのでしょうか?出来ることがあったとしてら、それはプロダクトの終了に歯止めをかけることができたでしょうか?を一度ハラオチするまで考えてみるのをオススメします。
大きな会社では上層部の鶴の一声でプロダクトの舵取りが行われてしまい、そんなこと言っても何も出来ることはなかったということがあるでしょう。しかし、「開発側でこういう提案をしてみれば舵取りのベクトルを少しは変えれたのでは?」などのifについて考えを巡らせることは、次のプロダクトでの自分の考えや行動を変える要因になるかもしれません。
次のキャリアに展望を巡らす
キャリアパスの一つのステップを満たすためにチームにやってきたのに終わってしまった!という人は次のキャリアについて考え直すチャンスと捉えることもできます。
これを機に全く新しい技術スキルを身に付けることを目的にチームを選んだり、給与に不満があり他の会社への転職を目指したり、今までに挑戦したことのないポジションが社内でぽっかり空いていたので飛び込んでみたり・・・
そのままプロダクトが存続していたらあり得なかったキャリアパスが広がっていると考えると、少しは残念な気持ちも晴れるのではないでしょうか?実際に全く別なことをしてみるかどうかは置いておいて、棚卸し的に考えてみることは一つの気晴らしにもなることでしょう。
とはいえ
と、ここまで書いていきましたが、なるたけ従事しているチームが無くなるなんてことは無いのが一番ですね。
各位、頑張りましょう。