「夜明けのすべて」を観たよ。実は公開初日に。
この人を支えたい、助けたいという感情が物語で描かれる時、それは恋愛や友情に付随することが多い。でも、映画「夜明けのすべて」では「異性の同僚」という近くて遠い関係性の二人が中心で、こんな世界があればいいのにね、という祈りのような気持ちになった。いや、もうどこかにはあるのかもしれないけれど。映画自体は引きの画や、出演者が見切れているカットが多い印象。あと2人が話している間も後ろの無関係な会話があったり、環境音が絶えない。映画と現実の縮尺をかなり近付けようとする努力を勝手に感じた。今気づいたけど、主題歌も無いんだね。物語ではあるけれど、劇的な変化や衝撃的な台詞はこの映画に存在していない、と思っている。かなり現実に歩幅を合わせたスピードで登場人物が生きていく、うえで変わっていく。この映画で二人の持病は完治しない。二人は恋愛関係として結ばれない。親友にならない。同僚で始まって、同僚で終わる。あくまで職場というのは長い時間を過ごす他人のあつまりだ。それでも、長い時間を過ごす場所で、3回に1回くらい助け合えるなら。そんな夜が、本当にあなたの側にありますように。
ラストのエンドロールでいちばん最初に降りてきた名前がふたつ、横並びだったのを見て涙が出た。
映画すごい良かったです、ということです。小説も楽しみに取っておいたからようやく読めるぞ〜、楽しみ。ハッピー!