一人称を決めなければならない。最初の記事は書いてみたら登場しなかった。
誰に向けて文章を書くのか。書いた記事は公開するのだから、誰かしらに読んで欲しいと思っている。その先は知らない。伝えたいメッセージがあるでもなく、笑顔や感動を届けたいわけでもない。
普通に考えると、候補は「俺」か「僕」か「私」になる。しかし、「俺」を剥き出しの文章は書かないだろうし、「僕」は謙遜する必要がない。「私」は堅苦しい。
どれもしっくりこない。なぜだろうと考えて、風呂に入っているときにわかった。これは独り言なのだ。
「自分」はどうだろう。他人を意識しないと出てこない呼称か。何か違う気がする。
次に思い当たったのが「われ(我)」だ。いたって真顔である。でまるで武士だか隠遁した武術の達人のようだが、考えてみると独り言に近い。
フィクションだと、「われ」や「わらわ」は高貴な人物や長命の尊大なキャラ(だいたい人ではない)が用いる印象がある。対等な相手はいないと考えているのか、相手がいても対話をする気がないのだろう。独り言を聞かせているのかもしれない。
考え過ぎた。