アップルパイ

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アップルパイの季節である。徒歩3分の近所のイオンには、りんごとラ・フランスが少し前から並ぶようになった。去年はなぜかル・レクチェとゼネラル・レクラークがラ・フランスと並んで珍しく洋梨コーナーを構えていた。毎日ル・レクチェの棚がほとんど空いていたのを見ると、洋梨が好きな人は意外と多かったようだ。ル・レクチェ高いし。

去年だか数年前だか覚えていないが、総菜コーナーに立派なアップルパイのカットが現れるようになった。洋菓子店のカットみたいなおひとりさまサイズではなく、二人分くらいはある。確か買ったことはない。だいたいそれを眺めているときは、自分で作ろうかと考えている。

自分で作ったほうが美味しいと思っているわけではなく、作れるから作ろうかなという程度だ。冷凍食品コーナーにある冷凍のパイ生地は、自分で作るよりはるかに美味しい。麺棒でちょっと叩いて延ばしてタルト皿に敷き、フォークで適当に穴を空ける。煮詰めたりんごを流し込む。残りのパイ生地を帯状に切り分け、格子状に上に乗せる。面倒なので卵液を塗らずにそのまま焼くので、きれいな焼き色はつかない。1ホールとなると食べる手間もかかる。買ったほうが早い。

コックス・オレンジ・ピピンという品種がある。手に収まるサイズの小ぶりなりんごである。イギリスでは一般的なりんごらしく、国内ではウルトラレアなりんごである。かなり酸味がきついが、その酸味が癖になるりんごである。何度かネットで国内産を買ったことがある。タルトにも向くらしい。

そのときは、せっかくなのでどこかで見たイギリス風にざっくり作った。りんごはスライスしただけで皿に敷き詰め、パイ生地は格子状に切らずに、まるまる上から被せる。実際にイギリス人がそうやって作っているかは知らない。ともかく簡単である。しかし、希少なものだから、加工調理するより生で食べたほうがいいなと思った。

こんなことをだらだら考えていると、出来合いのカットを買うのも面倒になって結局何もしないで帰る。